

マイボーム腺とは何か?〜涙の「油層」を支える重要な腺
マイボーム腺とは、上下のまぶたの中に存在し、涙の表面を覆う油(脂質)を分泌する腺のことです。この油層が涙の水分蒸発を防ぎ、目の表面を健康に保つ役割を担っています。
涙は表面の脂質層(油層)と、その下の涙液層から構成されています。涙はほとんどが水分ですが、その表面に薄い油の層が乗ることで蒸発を防いでいます。この油を分泌しているのがマイボーム腺です。
人間は瞬きのたびに、涙腺から水分が、マイボーム腺から油が目の表面へ供給されます。この精巧な仕組みが崩れると、涙の量が正常でも目が乾いてしまいます。
南船橋駅直結の眼科 南船橋眼科
目の乾き・ゴロゴロ感が続く方へ
ドライアイには涙の量だけでなく、まぶたのマイボーム腺の状態が関わることがあります。原因を確認して適した対処をご案内します。まずはご相談ください。

- 上まぶた:約25〜40本のマイボーム腺が存在
- 下まぶた:約20〜30本のマイボーム腺が存在
- 分泌口:まつげの生え際(眼瞼縁)に開口している
マイボーム腺の出口が詰まったり、腺自体が萎縮・消失したりすると、油の分泌が低下します。これが「マイボーム腺機能不全(Meibomian Gland Dysfunction:MGD)」です。
ドライアイの原因の多くはマイボーム腺機能不全(MGD)なのか?
はい、ドライアイ症状を訴える患者さんの60〜86%以上にMGDが関与しているとされています。つまり、ドライアイの大多数は「涙の量が少ない」のではなく、「涙の油が足りない」ことが原因です。
ドライアイには大きく2つのタイプがあります。
- 涙液分泌低下型:涙腺からの水分分泌が減少するタイプ。シェーグレン症候群などが原因になることも。
- 蒸発亢進型(MGD関連):涙の油層が不足し、水分が蒸発しやすくなるタイプ。ドライアイ全体の大多数を占める。
さらに近年では、「BUT短縮型ドライアイ(涙液層の安定性低下)」や「摩擦亢進型ドライアイ」など、より細かい分類も注目されています。正確な診断なしに点眼薬だけで対処しても改善しないケースが多いのは、MGDへの対処が不十分なことが一因です。
マイボーム腺機能不全(MGD)の症状〜どんなサインが出るのか?
MGDの症状はドライアイと重なる部分が多く、「目がゴロゴロする」「目が疲れる」「目ヤニが出やすい」などが代表的です。ドライアイと区別しにくいため、見過ごされやすい疾患です。
MGD患者の主な自覚症状は以下の通りです。
- 眼異物感:目がゴロゴロする、目ヤニが出ている感じがする
- 眼灼熱感:まぶたが熱い、目が焼けるような感覚
- 眼乾燥感:目が乾く
- 眼痛:目が痛い
- 眼精疲労:目が疲れやすい
- 眼不快感:常に目が気になる
- 流涙感:涙が出る(ドライアイなのに涙が出るケースも)
「涙が出るのにドライアイ?」と思われる方もいますが、これは角膜表面の潤いが不足したときに反射的に多量の涙が出るためです。ただし油層がないため涙が目の表面にとどまらず、すぐに排出されてしまいます。
また、MGDが進行すると「ものもらい(霰粒腫・麦粒腫)」が繰り返しできやすくなることも特徴です。まぶたのしこりや繰り返すものもらいにお悩みの方は、MGDが背景にある可能性があります。

MGDになりやすい人はどんな人か?〜リスク因子を知る
コンタクトレンズ装用者・高齢者・男性・脂質異常症の方はMGDになりやすいとされています。生活習慣やデジタルデバイスの使用も大きなリスク因子です。
MGDになりやすい主なリスク因子として以下が挙げられています。
- コンタクトレンズ装用:レンズによる機械的刺激がマイボーム腺を傷つけ、腺が減少する可能性がある
- 高齢:加齢とともにマイボーム腺の機能・数が低下する
- 男性:ホルモンバランスの影響が指摘されている
- 肥満・脂質異常症:メタボリックシンドロームとの関連が疑われている
加えて、現代社会特有のリスクとして以下も重要です。
- スマートフォン・パソコンの長時間使用:集中すると瞬きの回数が減り、マイボーム腺からの油分供給が滞る
- エアコンによる室内乾燥:涙の蒸発を促進し、油層不足の影響が出やすくなる
- アイメイク(特にアイライン):マイボーム腺の出口を塞ぐリスクがある
船橋市・南船橋エリアでもデスクワークやスマートフォン使用が多い方からのドライアイ相談が増えています。「目の疲れが取れない」「夕方になると視界がかすむ」という症状は、MGDのサインかもしれません。
目薬が効きにくいと感じる方もご相談ください
市販の目薬で改善しにくい場合、原因が涙の質やまぶたの状態にあることもあります。当院では検査をもとに、症状に合わせた治療をご提案します。
MGD・ドライアイの診断はどのように行われるのか?
MGDの診断は、自覚症状の確認に加えて、涙液層破壊時間(BUT)測定・マイボグラフィー・フルオレセイン染色などの専門検査によって行われます。
ドライアイ・MGDの主な検査項目は以下の通りです。
- シルマー試験:専用のろ紙をまぶたの縁に挟み、5分間で濡れた長さを測定して涙の分泌量を調べる
- BUT(涙液層破壊時間)検査:瞬きをしないで目を開けたまま、涙の層が乱れるまでの時間を測定。5秒以下でドライアイが疑われる
- フルオレセイン染色:染色液を点眼して角膜の傷や涙液層の破壊パターンを観察。傷がある部位が染まって見える
- マイボグラフィー:赤外光を使ってマイボーム腺の形状・消失・萎縮を観察する。痛みやまぶしさはなく、両眼合わせて1分以内で完了
- 涙液油層検査(インターフェロメトリー):涙の油層の厚みや状態を定量的・定性的に評価する
南船橋眼科では、フルオレセイン染色をはじめとする専門検査を実施し、ドライアイのタイプ(涙液分泌低下型・蒸発亢進型)を正確に分類したうえで、患者さん一人ひとりに合った治療を提案しています。
「目が乾く気がするけど大したことはないだろう」と放置してしまう方も多いですが、軽度のうちから適切に対処することで角膜の傷や視力低下を防ぐことができます。
MGD・ドライアイの治療法〜点眼から涙点プラグまで何が選べるのか?
MGD・ドライアイの治療は、症状の程度とタイプに応じて、点眼治療・温罨法・眼瞼清拭・涙点プラグなどを組み合わせて行います。
点眼治療〜3種類の点眼薬の使い分け
南船橋眼科では、症状に応じて以下の点眼薬を処方しています。
- ヒアルロン酸点眼:水分保湿効果と角膜上皮細胞の修復作用を持つ。涙液分泌低下型に有効
- ジクアホソルナトリウム点眼:ムチンと水分の両方の分泌を促進し、涙の状態を改善。蒸発亢進型・MGD関連ドライアイに有効。
- レバミピド点眼:粘膜保護・ムチン産生促進作用を持ち、眼表面の傷の修復を助ける
点眼後にしばらく視界が白っぽくなったり、苦みを感じたりすることがありますが、これは薬の成分によるものであり、一時的なものです。
温罨法(おんあんほう)〜自宅でできるMGDケア
温罨法とは、目の周囲を温めることでマイボーム腺の詰まりを緩和し、まぶたの血流を改善するセルフケアです。1日5分・朝晩2回継続することで早期に効果を実感できるとされています。
- 市販のホットアイマスクや蒸しタオルを用意する
- 閉じた目の上に乗せ、5分間温める
- 温め終わったら、まぶたの縁を清潔に拭く(眼瞼清拭)
温罨法はMGDの国際標準治療として認められており、特に眼症状のない方の予防としても有効です。
涙点プラグ〜点眼で改善しない場合の選択肢
点眼治療で十分な改善が得られない場合、涙点プラグによる治療を行います。涙の排出口(涙点)に小さな栓を挿入し、涙が目の表面にとどまる時間を延ばす方法です。
- 治療時間:短時間で完了(外来で当日施術可能)
- 保険適用:涙点プラグ治療は保険が適用される
- サイズ:涙点の大きさに合わせて最適なものを選択
南船橋眼科では、涙点プラグによる治療にも対応しており、患者さんの状態に合わせた治療選択が可能です。

日常生活でできるドライアイ・MGD対策は何か?
意識的なまばたき・デジタルデバイスの適切な使用・室内の加湿が、ドライアイ・MGD予防の基本です。生活習慣の見直しが症状の悪化を防ぎます。
- まばたきを意識的に増やす:スマートフォンやパソコン使用中は瞬きの回数が減少するため、意識的に行う
- 20-20-20ルールを実践する:20分作業したら20フィート(約6m)先を20秒見る習慣をつける
- ディスプレイは目線よりやや下に設置する:目を大きく開く必要がなくなり、涙の蒸発が減る
- 加湿器で室内の乾燥を防ぐ:エアコン使用時は特に湿度管理が重要
- コンタクトレンズの装用時間を短縮する:長時間装用はマイボーム腺への負担になる
- アイメイクはまつげの内側(眼瞼縁)を避ける:マイボーム腺の出口を塞がないよう注意する
- 温罨法を習慣化する:毎日5分の温めケアがMGD予防・改善に有効
特にデスクワークやスマートフォン使用が多い方は、これらの対策を日常的に取り入れることが大切です。症状が軽度のうちから意識することで、MGDの進行を遅らせることができます。
南船橋眼科でのドライアイ・MGD診療について
南船橋眼科は、南船橋駅直結・徒歩1分のららテラスTOKYO-BAY内に2024年3月に開院した眼科クリニックです。ドライアイ・MGDの診断から治療まで、専門的に対応しています。
院長の佐倉達朗医師は、大学病院および地域の基幹病院にて眼科診療を幅広く経験し、白内障手術・眼瞼疾患・緑内障の診断管理に精通しています。日本眼科学会認定専門医として、患者さん一人ひとりに寄り添う丁寧な診療を心がけています。
- 専門検査:フルオレセイン染色などによるドライアイタイプの正確な分類
- 点眼治療:ヒアルロン酸点眼・ジクアホソルナトリウム点眼・レバミピド点眼を症状に応じて処方
- 涙点プラグ:点眼で改善しない場合の短時間治療に対応
- 先進機器:眼科手術専用顕微鏡・レーザー治療機器など最新設備を導入
- 診療体制:土日祝も診療対応、WEB予約可能で忙しい方も受診しやすい
- 一般診療:予約なしでも受診可能(コンタクト・めがね処方箋は予約必須)
「目が乾く」「目が疲れる」「夕方に視界がかすむ」などの症状が続く場合は、放置せずにお早めにご相談ください。軽度のうちに適切な治療を始めることで、角膜の傷や視力低下を防ぐことができます。
南船橋駅直結・徒歩1分のアクセスで、土日祝も診療対応。WEB予約も可能ですので、目の乾燥・疲れ・かすみでお悩みの方はお気軽にご相談ください。
よくある質問
ドライアイとマイボーム腺機能不全(MGD)は同じ病気ですか?
MGDはドライアイの主要な原因疾患であり、同じ病気ではありません。ドライアイ症状の80%以上がMGDに起因するとされており、MGDを治療することがドライアイ改善の鍵になります。
マイボーム腺機能不全はどうやって診断されますか?
BUT検査・フルオレセイン染色などの専門検査で診断されます。自覚症状だけでは判断が難しいため、眼科での検査が必要です。
MGDは自然に治りますか?
MGDは慢性の進行性疾患であり、自然治癒は期待しにくいです。温罨法などのセルフケアと眼科での治療を継続することが重要です。
温罨法はどのくらいの頻度で行えばよいですか?
1日5分・朝晩2回が推奨されています。LIME研究会によると、継続することで早期に効果を実感できるとされています。毎日の習慣として取り入れることが大切です。
涙点プラグは痛いですか?保険は適用されますか?
涙点プラグは短時間で行える外来処置で、強い痛みはほとんどありません。保険適用の治療であるため、自己負担を抑えて受けることができます。
コンタクトレンズを使っているとMGDになりやすいですか?
はい、コンタクトレンズの長期装用はマイボーム腺への機械的刺激となり、腺の萎縮・減少を引き起こすリスクがあります。装用時間の短縮やケアの徹底が予防につながります。
ドライアイの点眼薬はどれを選べばよいですか?
ドライアイのタイプによって適切な点眼薬が異なります。涙液分泌低下型にはヒアルロン酸点眼、蒸発亢進型(MGD関連)にはジクアホソルナトリウム点眼やレバミピド点眼が有効です。自己判断せず眼科で処方を受けることを推奨します。
MGDを放置するとどうなりますか?
MGDを放置すると角膜に傷がつきやすくなり、視力低下や慢性的な眼の不快感につながります。また、ものもらいが繰り返しできやすくなるリスクもあります。早期受診が重要です。
南船橋眼科はどこにありますか?予約は必要ですか?
南船橋駅直結・徒歩1分のららテラスTOKYO-BAY内にあります。一般診療は予約なしでも受診可能です。コンタクト・めがね処方箋はWEB予約が必須となります。土日祝も診療しています。
ドライアイはスマートフォンの使いすぎで悪化しますか?
はい、スマートフォンやパソコンの長時間使用は瞬きの回数を減らし、マイボーム腺からの油分供給を滞らせるためドライアイ・MGDを悪化させます。定期的な休憩と意識的なまばたきが有効です。
結論
ドライアイの原因の大多数はマイボーム腺機能不全(MGD)による油層不足です。「目が乾く・疲れる・かすむ」といった症状が続く場合は、自己判断で市販の目薬に頼るだけでなく、眼科でフルオレセイン染色などの専門検査を受け、自分のドライアイのタイプを正確に把握することが先決です。温罨法・点眼治療・涙点プラグを症状に合わせて組み合わせることで、多くのケースで改善が期待できます。南船橋エリアでお悩みの方は、南船橋眼科(南船橋駅直結・土日祝診療対応)へお早めにご相談ください。
南船橋眼科(ららテラスTOKYO-BAY 2階)
ドライアイや目の不快感のご相談を承っています。原因を確認し、症状に合わせた治療をご提案します。土日祝日も診療、南船橋駅直結です。
〒273-0013 千葉県船橋市若松2丁目2-1 ららテラスTOKYO-BAY 2階/休診日:水曜日
著者情報
南船橋眼科 院長 佐倉達朗

経歴
- 筑波大学医学群医学類 卒業
- 東京都立多摩総合医療センター 臨床研修医
- 東京医科歯科大学医学部附属病院 眼科
- 東京都保健医療公社大久保病院 眼科
- 川口市立医療センター 眼科
- 川口工業総合病院 眼科
- 柏厚生総合病院 眼科
- 南船橋眼科 院長



