

白内障手術後に再手術が必要になるのはなぜか?
白内障手術後に「また見えにくくなった」「視力が戻らない」と感じたとき、再手術が必要になるケースがあります。再手術の主な原因は、後発白内障・眼内レンズのズレ(亜脱臼・脱臼)・屈折誤差の3つです。
本記事は、白内障手術後に再手術が必要になる原因・種類・対処法を、南船橋眼科 院長 佐倉達朗が臨床経験をもとに解説します。
わが国では年間約150万件の白内障手術が行われています。手術件数が増えるほど、術後の合併症や再手術の相談件数も増加傾向にあります。
南船橋駅直結の眼科 南船橋眼科
術後の見え方が気になる方へ
白内障手術後に見えにくさを感じる原因はさまざまです。多くは検査で状態を確認できますので、気になる症状があれば早めにご相談ください。

白内障手術後に最も多い再手術の原因「後発白内障」とは何か?
後発白内障とは、白内障手術後に眼内レンズを包む水晶体嚢(のう)が濁ってくる状態で、術後数か月〜数年後に発症します。白内障が「再発した」と誤解されやすいですが、白内障そのものの再発ではありません。
術後に「またかすんできた」「まぶしさが増した」と感じたら、後発白内障を疑う必要があります。
後発白内障の症状と発生頻度
主な症状は以下のとおりです。
- 視力のかすみ・ぼやけ:術直後は良好だった視力が再び低下する
- まぶしさの増加:光がにじんで見える
- コントラスト感度の低下:くっきり見えにくくなる
報告によると、白内障手術後の後発白内障は術後合併症の中で最も頻度が高く、術後5年以内に一定割合の患者で発症するとされています。
後発白内障の治療法:YAGレーザー後嚢切開術
治療はYAGレーザー後嚢切開術(ヤグレーザー)で行います。所要時間は約5分程度で、痛みはほとんどありません。保険適用で受けられるため、患者様の負担も少ない治療です。
- 入院不要:外来で当日に完結する
- 痛みなし:点眼麻酔のみで処置可能
- 再発なし:一度治療すれば再び濁る可能性は低い
- 保険適用:健康保険が使える
YAGレーザー後嚢切開術後は一時的に飛蚊症(黒い点や糸くずが見える)が増えたり眼圧が上昇することがありますが、多くは数日〜数週間で落ち着きます。
眼内レンズがズレた場合(亜脱臼・脱臼)の原因と再手術の方法は?
眼内レンズの亜脱臼(ずれ)・脱臼(落下)は、水晶体を支えるチン小帯の断裂が主な原因です。加齢・外傷・もともとチン小帯が弱い体質などが関係します。
ズレが小さければ視力への影響は軽微ですが、大きくずれたり目の奥に落下したりした場合は、網膜や視神経を傷つける危険があるため、速やかな手術が必要です。

眼内レンズ脱臼の手術方法
手術方法には主に2種類あります。
- 強膜内固定術:眼内レンズの支持部を強膜内の極小の孔へ直接埋め込んで固定する方法。
- 縫着術(逢着術):縫合糸を用いて強膜へ縫い付ける方法。
- 脱臼した眼内レンズが硝子体内に落下している場合は、硝子体手術と同時に行うことが一般的です。手術は高度な技術を要するため、経験豊富な眼科専門医への相談が重要です。
屈折誤差・眼内レンズのミスマッチによる見え方の不満はどう対処するか?
術後に「思ったより見えない」「度数が合っていない」と感じる場合、屈折誤差や眼内レンズのミスマッチが原因のことがあります。度数計算のズレや、患者様のライフスタイルと選んだレンズの特性が合わないケースが代表的です。
国内の白内障手術件数の増加と眼内レンズの多様化に伴い、術後の見え方に関する相談は増加しています
屈折誤差・ミスマッチへの対処法
- 眼鏡・コンタクトレンズによる矯正:軽度の屈折誤差であれば、眼鏡やコンタクトで対応できることが多い。
- タッチアップ(LASIK):眼内レンズを交換せず、角膜をレーザーで削って屈折を微調整する方法。
- AddOn IOL(アドオン眼内レンズ):既存の眼内レンズの前に追加のレンズを挿入する方法。眼内レンズを取り出さずに度数調整できる。
- 眼内レンズ交換:既存のレンズを取り出し、別の種類・度数のレンズに入れ替える。保険適応外となるケースがある。
- どの方法が適切かは、術後の経過期間・眼の状態・患者様の希望によって異なります。自己判断せず、必ず眼科専門医に相談してください。
多焦点眼内レンズ特有のトラブル(ハロー・グレア)は再手術が必要か?
多焦点眼内レンズ術後のハロー(光の輪)・グレア(光のにじみ)は、レンズの光学的構造によるもので、多くの場合は時間とともに脳が慣れていきます(神経順応)。
多焦点眼内レンズについて「ハローやグレアが出ることがあり、術後の見え方に慣れるまでに単焦点よりも時間がかかることがある」と説明しています。
ハロー・グレアへの対処法
- 経過観察(神経順応を待つ):術後3〜6か月程度で多くの方が慣れてくる。
- 生活習慣の調整:夜間運転を控えるなど、症状が出やすい状況を一時的に避ける。
- レンズ交換の検討:神経順応が得られず日常生活に著しく支障をきたす場合は、単焦点眼内レンズへの交換を検討することもある(稀なケース)。
ハロー・グレアが強い場合でも、すぐに再手術が必要なケースは少数です。まずは担当医に相談し、経過を見ながら対処法を検討することが大切です。
術後の見え方のご相談も承っています
当院では日帰り白内障手術を行い、術後の経過も継続して診察しています。他院で手術を受けた方のご相談にも対応していますので、お気軽にご相談ください。
術後の感染症(眼内炎)や眼圧上昇など緊急性の高い合併症とは?
感染性眼内炎は早い場合術後1週間以内に起こる重篤な合併症で、発生頻度は0.05%以下と非常にまれですが、放置すると失明の危険があります。強い痛み・急激な視力低下・目やにの増加などの症状が出たら、直ちに眼科を受診してください。

緊急性の高い術後合併症の一覧
- 感染性眼内炎:術後数日以内に強い痛み・急激な視力低下。抗生剤の点滴や手術が必要。1日でも早い対応が必要。
- 眼圧上昇:術後すぐ〜1週間程度。目の奥の重さ・頭痛を感じることも。点眼・内服薬でコントロール。緑内障がある方は特に注意。
- 黄斑浮腫:術後数日〜1か月後に視力のぼやけ・ゆがみ。抗炎症薬の点眼・内服・注射で多くは改善。
これらの合併症は早期発見・早期対処が視力予後を大きく左右します。「何かおかしい」と感じたら自己判断せず、すぐに眼科を受診することが最善の対処法です。
白内障手術後の再手術を防ぐために術前・術後にできることは?
再手術のリスクを下げるには、術前の十分な検査と眼内レンズ選択の相談、術後の定期検診と点眼の継続が最も重要です。
術前にできること
- 詳細な術前検査の受診:眼軸長・角膜曲率・前房深度などを精密に計測し、度数計算の精度を高める。
- ライフスタイルに合ったレンズ選択:「遠くを重視したい」「手元の作業が多い」など、生活スタイルを担当医に詳しく伝える。
- 既往症・服用薬の申告:糖尿病・緑内障・チン小帯が弱い疾患(マルファン症候群など)は術前に必ず申告する。
術後にできること
- 処方された点眼薬を継続する:感染予防・炎症抑制のために術後の点眼は必ず続ける。
- 定期検診を欠かさない:後発白内障や眼内レンズのズレは自覚症状が出る前に発見できることがある。
- 強い衝撃を避ける:チン小帯への外力がレンズのズレを招く可能性がある。
- 異変を感じたらすぐ受診:「また見えにくくなった」「光がにじむ」などの変化を放置しない。
南船橋眼科では、術後の定期検診・点眼指導・再手術が必要な場合の専門的なアドバイスを提供しています。南船橋眼科で白内障手術・術後ケアのご相談を
南船橋眼科は、南船橋駅直結・ららテラスTOKYO-BAY2階に位置し、雨の日も快適に通院できます。院長 佐倉達朗は大学病院・総合病院で多数の白内障手術を経験し、多焦点眼内レンズ・乱視矯正レンズなど豊富なレンズ取り扱いで患者様一人ひとりに最適な提案を行います。土日祝日診療・WEB予約対応で、平日通院が難しい方にも対応しています。白内障手術後の見え方に不安がある方、再手術を検討されている方は、お気軽にご相談ください。
📍 千葉県船橋市若松2丁目2-1 ららテラスTOKYO-BAY2階(南船橋駅直結 徒歩1分)
🌐 WEB予約対応 / 土日祝日も診療
よくある質問
白内障手術後に視力が再び低下したのは再発ですか?
白内障そのものが再発することはありません。術後の視力低下の多くは後発白内障(水晶体嚢の濁り)が原因で、YAGレーザー治療(約5分・保険適用)で改善できます。
後発白内障のYAGレーザー治療は痛いですか?
点眼麻酔のみで行うため、ほぼ痛みはありません。外来で約5分の処置で完結し、入院も不要です。一度治療すれば再び濁ることはほぼありません。
眼内レンズがズレた場合、必ず手術が必要ですか?
ズレが小さければ経過観察で対応できる場合もあります。ただし大きくズレた場合や目の奥に落下した場合は手術が必要で、放置すると網膜・視神経を傷つける危険があります。
多焦点眼内レンズのハロー・グレアはいつ頃改善しますか?
多くの場合、術後3〜6か月程度で脳が慣れ(神経順応)、症状が軽減します。日常生活に著しく支障をきたす場合は担当医に相談してください。
白内障手術後の屈折誤差はどう治しますか?
軽度なら眼鏡・コンタクトで対応でき、必要に応じてタッチアップ(LASIK)やアドオン眼内レンズも選択肢になります。感染性眼内炎はどのくらいの確率で起こりますか?
感染性眼内炎の発生頻度は0.05%以下と非常にまれです。ただし発症すると失明の危険があるため、術後1週間以内に強い痛み・急激な視力低下が起きたら直ちに受診が必要です。
白内障手術後の再手術は保険適用になりますか?
後発白内障のYAGレーザー治療・眼内レンズ脱臼の手術は健康保険が適用されます。ただし患者様希望によるレンズ交換(見え方の改善目的)は保険適用外となる場合があります。担当医にご確認ください。
白内障手術後に定期検診はどのくらいの頻度で受けるべきですか?
術後3日、1週間、1か月・3か月・6か月を目安に受診し、その後は年1回程度の定期検診が推奨されます。後発白内障や眼内レンズのズレは自覚症状が出る前に発見できることがあります。
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結論
白内障手術後の再手術が必要になる主な原因は、後発白内障・眼内レンズの脱臼・屈折誤差の3つです。後発白内障はYAGレーザーで短時間・保険適用で対処でき、眼内レンズのズレは強膜内固定術などの方法があります。屈折誤差には眼鏡・タッチアップ・アドオンレンズなど複数の選択肢があります。いずれも早期発見・早期対処が大事なため「何かおかしい」と感じたら自己判断せず、経験豊富な眼科専門医に相談することが最善の行動です。
南船橋眼科(ららテラスTOKYO-BAY 2階)
白内障手術後の見え方のご相談を承っています。土日祝日も診療しており、南船橋駅直結でお買い物のついでにも通院いただけます。
〒273-0013 千葉県船橋市若松2丁目2-1 ららテラスTOKYO-BAY 2階/休診日:水曜日
著者情報
南船橋眼科 院長 佐倉達朗

経歴
- 筑波大学医学群医学類 卒業
- 東京都立多摩総合医療センター 臨床研修医
- 東京医科歯科大学医学部附属病院 眼科
- 東京都保健医療公社大久保病院 眼科
- 川口市立医療センター 眼科
- 川口工業総合病院 眼科
- 柏厚生総合病院 眼科
- 南船橋眼科 院長



