

iStent(アイステント)とは何か?―MIGS・低侵襲緑内障手術の基本
iStent(アイステント)は、長さ0.36mmの医療用チタン製ステントを眼内の線維柱帯に留置し、房水の排出を促して眼圧を下げる「低侵襲緑内障手術(MIGS)」のデバイスです。厚生労働省の承認を受けており、「水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術」として保険収載されています。
緑内障は眼圧の上昇によって視神経がダメージを受け、視野が徐々に欠けていく病気です。点眼薬やレーザー治療で眼圧が十分に下がらない場合や、点眼本数を減らしたい場合に手術が検討されます。
従来の緑内障手術(線維柱帯切除術など)は眼圧降下効果が高い反面、手術時間が長く合併症リスクも大きいという課題がありました。iStentはそのギャップを埋める選択肢として、日本でも広く普及しています。
南船橋駅直結の眼科 南船橋眼科
緑内障と白内障を指摘された方へ
緑内障と白内障を併発している場合、同時手術が選択肢になることがあります。適応は病型や進行度によって異なりますので、まずは検査でご相談ください。

iStent inject Wとは?―最新デバイスの特徴
現在主に使用されているのは「iStent inject W(アイステント インジェクト ダブリュー)」で、2個のステントを同時に線維柱帯の2か所に留置します。1個留置の旧型と比べ、眼圧降下効果と点眼削減効果がより高いことが海外の使用経験から報告されています。
ステントの素材は医療用グレードのチタン合金で、人体に埋め込まれる最小クラスの医療機器の1つです。所定の条件下ではMRI検査も安全に受けられます。
白内障と緑内障の同時手術はなぜ有効なのか?
白内障手術と同時に行うことで、1回の手術・1つの切開創でiStentを挿入できるため、患者の身体的・時間的負担が大幅に軽減されます。白内障手術の切開創(約2.4mm)をそのまま利用するため、緑内障手術のための新たな傷口が不要です。
白内障手術自体は10分程度で終わりますが、iStentの挿入にかかる追加時間はわずか約2〜3分です。局所麻酔で行えるため、痛みもほとんどありません。
また、白内障手術そのものにも眼圧を下げる効果があることが知られており、iStentの眼圧降下効果と相乗的に働くことが期待されます。
同時手術で期待できる3つのメリット
- 眼圧の安定的な降下:点眼薬のように投与タイミングによる眼圧変動がないです。
- 点眼本数の削減:複数の緑内障点眼薬を使用している方は、本数を減らせる可能性があります(個人差あり)。
- 視力改善との同時達成:白内障手術による視力回復と眼圧コントロールを1回の手術で実現できます。

iStent同時手術の適応条件は何か?―誰でも受けられるわけではない
iStentを用いた同時手術を受けるには、複数の条件を同時に満たす必要があります。すべての緑内障・白内障患者に適応されるわけではなく、担当医による慎重な判断が必要です。
一般的には軽度~中等度の開放隅角緑内障で、点眼治療を受けている患者さんが主な対象です。
閉塞隅角緑内障や重症の緑内障、あるいは過去に白内障手術を受けた方(人工眼内レンズ挿入済みの方)は、保険適用での同時手術の対象外となります。以前に白内障手術を受けた方がiStentのみを希望する場合は自由診療となります。
執刀医の要件―どこでも受けられるわけではない
iStentを安全に挿入するには特殊な技術が必要です。そのため、日本眼科学会が定める専門的なトレーニングを修了した医師のいる特定の医療機関でしか手術を受けられません。手術を検討する際は、担当医が認定トレーニングを受講済みかどうかを必ず確認してください。
南船橋眼科の院長・佐倉達朗医師は、大学病院および総合病院での豊富な白内障手術経験と緑内障診療の知識を持ち、患者一人ひとりの眼の状態に応じた最適な治療を提案しています。
iStent手術のリスクと合併症は何か?―正しく知って備える
iStentは従来の緑内障手術と比べて合併症リスクが低い術式ですが、ゼロではありません。比較的よくみられる合併症はは「前房出血(眼内出血)」です。
ステントを挿入する線維柱帯の奥にあるシュレム管には血液が流れているため、挿入時に眼内出血が起こります。ただし、線維柱帯を大きく切開する従来の流出路再建術と比べると出血量は少なく、ほとんどの症例では手術翌日には出血が吸収されます。出血量が多い場合は洗浄術が必要になることがあります。
主な合併症・注意点の一覧
- 前房出血:最も頻度の高い合併症。多くは自然吸収されるが、量が多い場合は洗浄術が必要。
- 一過性の高眼圧:術後一時的に眼圧が上昇することがある。
- 白内障手術共通の合併症:感染症、後発白内障、眼内レンズのズレなど、通常の白内障手術で起こりうる合併症はすべて発生しうる。
- 眼圧降下効果の個人差:点眼本数が減らない場合や、期待した眼圧降下が得られない場合がある。
iStentを挿入しても眼圧が十分に下がらない場合や視野悪化が続く場合は、より侵襲度の高い緑内障手術(濾過手術など)の追加を検討することになります。その点を踏まえると、iStentは軽症〜中等症緑内障に対する低侵襲手術として位置づけられています iStent手術の費用・保険適用はどうなっているか?
iStentを用いた「水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術」は2018年より健康保険が適用されており、保険点数は27,990点(1点10円換算で約27万9,900円)です。この点数には白内障手術の点数(12,100点)も含まれています。
純粋な緑内障手術部分の点数は15,890点となり、この中にiStent本体の費用と手術手技料が含まれます。実際の患者負担額は1〜3割負担となり、年齢や所得に応じて異なります。
緑内障・白内障の検査と診療に対応しています
当院では視野検査や眼圧測定などで緑内障の状態を確認し、白内障の進行と合わせて治療方針をご説明します。手術の適応についてもご相談ください。
保険適用外になるケース
- 過去に白内障手術を受けた方がiStentのみを希望する場合:白内障手術との同時施行が保険適用の条件のため、単独でのiStent挿入は自由診療となります。
- 適応条件を満たさない緑内障のタイプ:閉塞隅角緑内障など、保険適用の対象外となる病型があります。
費用の詳細や自己負担額については、受診する医療機関に直接お問い合わせください。南船橋眼科では、WEB予約または来院時に担当医が個別に説明いたします。

iStentと従来の緑内障手術・他のMIGSとの違いは何か?
iStentは従来の緑内障手術(濾過手術・線維柱帯切除術)と比べて眼圧降下効果はやや小さいものの、合併症リスクが低く、短時間で施行できる点が大きな違いです。
主な緑内障手術の比較
- 濾過手術(線維柱帯切除術):眼圧降下効果が最も高い。ただし手術時間が長く、濾過胞感染リスクがあり、入院が必要になる場合もある。
- 線維柱帯切開術(トラベクロトミー):濾過胞を形成しないが、術後の前房出血や眼圧急上昇のリスクがあり、入院が必要となる施設もあります iStent(MIGS):眼圧降下効果はやや緩やか。合併症リスクが低く、白内障手術に追加2〜3分で施行可能。日帰り手術に対応。
- Hydrus(ハイドラス):iStentと同様のMIGSデバイス。ニチノール製の細長いマイクロステント で房水の流れを助ける。白内障手術との同時施行で保険適用。
MIGSの考え方は「比較的早期の症例に、体への負担を最小限にして手術介入する」というものです。iStentで効果が不十分な場合でも、その後により侵襲度の高い手術へ移行できるため、段階的な治療戦略の第一歩として理にかなっています。
南船橋眼科でiStent同時手術を受けるには?―受診から手術までの流れ
南船橋眼科では、緑内障治療中で白内障手術を希望される方に対し、iStent同時手術の適応を個別に評価しています。まずは外来診察で眼の状態を詳しく検査し、適応の有無をご説明します。
受診から手術までの流れ
- 外来受診・初診検査:視力・眼圧・視野・眼底などを検査し、白内障と緑内障の程度を評価します。予約なしでも一般診療は受診可能です(コンタクト・眼鏡処方箋は予約必須)。
- 手術適応の判断・説明:検査結果をもとに、iStent同時手術の適応・メリット・リスクを丁寧にご説明します。
- 術前検査:手術に向けた詳細な眼の検査と全身状態の確認を行います。
- 日帰り手術:白内障手術(約10分)にiStent挿入(約2〜3分追加)を組み合わせた日帰り手術を実施します。切開は約2.4mmと小さく、体への負担は比較的少ない手術です 。
- 術後管理・経過観察:翌日から定期的に眼圧・視力・眼の状態を確認します。
南船橋眼科はJR京葉線・武蔵野線の南船橋駅直結(徒歩1分)、ららテラスTOKYO-BAY2階に位置しており、雨の日も快適に通院できます。土日祝日も診療しており、WEB予約にも対応しています。
白内障と緑内障を同時に抱えている方、点眼薬の本数を減らしたい方、手術への不安がある方は、ぜひ南船橋眼科にご相談ください。院長・佐倉達朗医師が、大学病院・総合病院での豊富な手術経験をもとに、あなたの眼の状態に合った最適な治療をご提案します。WEB予約は24時間受け付けています。南船橋駅直結で土日祝日も診療しているため、お仕事帰りやお買い物のついでにお気軽にお越しください。
よくある質問
iStent手術は日帰りで受けられますか?
はい、日帰りで受けられます。白内障手術(約10分)にiStent挿入(約2〜3分追加)を組み合わせた手術で、局所麻酔で行うため入院は不要です。
iStent手術に健康保険は適用されますか?
白内障手術と同時に行う場合は健康保険が適用されます。2018年に「水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術」として保険収載され、保険点数は27,990点です。1〜3割の自己負担となります。
iStentを入れると点眼薬はやめられますか?
点眼本数を減らせる可能性はありますが、やめられるかどうかは個人差があります。眼圧が十分に下がった場合でも、医師の判断なく点眼を中止しないでください。
iStent手術後にMRI検査は受けられますか?
所定の条件下では安全にMRI検査を受けられます。チタン製のためMRIへの影響は少なく、手術後にMRI条件を記載したカードが交付されます。受診時に提示してください。
iStentはどんな緑内障に適応がありますか?
軽度〜中等度の開放隅角緑内障で、点眼治療中の方が対象です。閉塞隅角緑内障や重症の緑内障は適応外となる場合があります。担当医に確認してください。
過去に白内障手術を受けた場合でもiStentを受けられますか?
保険適用は白内障手術との同時施行が条件です。すでに白内障手術を受けた方がiStentのみを希望する場合は自由診療となります。
iStentで効果がなかった場合、他の緑内障手術は受けられますか?
受けられます。iStentで眼圧が十分に下がらない場合は、濾過手術など侵襲度の高い手術への移行を検討します。iStentは段階的治療の第一歩として位置づけられています。
iStent手術は痛いですか?
局所麻酔で行うため、手術中の痛みはほとんどありません。術後も強い痛みが出ることは少なく、多くの方が翌日から日常生活に戻れます。
iStent手術を受けられる医師・施設は限られていますか?
はい、限られています。日本眼科学会の専門的なトレーニングを修了した医師のいる施設でのみ施行可能です。受診前に担当医の資格を確認することをお勧めします。
南船橋眼科でiStent手術の相談はできますか?
はい、相談できます。南船橋眼科では緑内障診療にも対応しており、白内障手術との同時手術の適応を個別に評価しています。WEB予約または予約なしでも一般診療として受診可能です。
結論
iStentを用いた白内障・緑内障同時手術は、軽度〜中等度の開放隅角緑内障と白内障を併発している方にとって、1回の日帰り手術で眼圧降下・視力改善・点眼削減を同時に目指せる合理的な選択肢です。合併症リスクが低く追加手術時間も約2〜3分と短い一方、効果には個人差があります。まずは眼科専門医に適応を確認し、段階的な治療の第一歩として検討することをお勧めします。
南船橋眼科(ららテラスTOKYO-BAY 2階)
緑内障・白内障のご相談を承っています。検査結果をもとに、治療の選択肢をわかりやすくご説明します。土日祝日も診療、南船橋駅直結です。
〒273-0013 千葉県船橋市若松2丁目2-1 ららテラスTOKYO-BAY 2階/休診日:水曜日
著者情報
南船橋眼科 院長 佐倉達朗

経歴
- 筑波大学医学群医学類 卒業
- 東京都立多摩総合医療センター 臨床研修医
- 東京医科歯科大学医学部附属病院 眼科
- 東京都保健医療公社大久保病院 眼科
- 川口市立医療センター 眼科
- 川口工業総合病院 眼科
- 柏厚生総合病院 眼科
- 南船橋眼科 院長



