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「最近、黒板が見えにくいと言っている」「もしかして近視が始まった?」
そんな不安を抱えている保護者の方は、決して少なくありません。
近年、子どもの近視は急速に増加しています。文部科学省が実施した近視実態調査でも、小学生から高校生にかけての視力低下が深刻な問題として浮かび上がってきました。「近視は眼鏡をかければ大丈夫」と思われがちですが、実は放置すると将来の目の健康に大きなリスクをもたらす可能性があります。
今回は、小児近視がどこまで進行するのか、どのような将来リスクがあるのか、そして早期対策がなぜ重要なのかを、眼科専門医の立場からわかりやすくお伝えします。
お子さまの視力低下が気になる方へ
千葉県船橋市で小児近視や視力低下について相談したい方は、南船橋眼科へご相談ください。
成長期の目の状態を確認しながら、近視進行への対策をご案内しています。
子どもの近視、今どれくらい増えているのか

近視は「遠くが見えにくい」状態です。
目の奥行き(眼軸長)が伸びすぎることで、網膜より手前に焦点が合ってしまい、遠方がぼやけて見えます。この「眼軸の伸び」こそが、近視の本質的なメカニズムです。
文部科学省が令和4年度に実施した「児童生徒の近視実態調査」では、小学生・中学生・高校生を対象に近視の状況が詳しく調べられました。その結果、多くの学齢期の子どもたちに近視が広がっていることが明らかになっています。
特に注目すべきは、近視の「始まりの年齢」が低年齢化していること。かつては中学生になってから近視が始まるケースが多かったのですが、今では小学校低学年、場合によっては就学前から近視が確認されるケースも増えています。
早く始まるほど、進行する期間が長くなります。
それだけ将来的に強い近視(強度近視)になるリスクが高まるということを、まず知っておいてください。
小児近視はどこまで進むのか〜進行のメカニズムと限界
近視は「成長とともに進む」という特徴があります。
子どもの目は身体の成長に合わせて発育しますが、近視の子では眼軸が過剰に伸び続けます。一般的に、近視の進行は幼少期がもっとも速く、成長が落ち着く20歳前後で進行が緩やかになることが多いとされています。
では、どこまで進むのでしょうか?
近視の程度は「ジオプター(D)」という単位で表されます。軽度近視は−3D未満、中等度近視は−3D〜−6D、そして−6D以上が「強度近視」と呼ばれます。強度近視になると、人によっては単に「遠くが見えない」というレベルを超え、目の構造そのものに影響が出てきます。
小学校低学年で近視が始まった場合、適切な対策を取らないまま成長すると、高校卒業時に強度近視に達するケースも珍しくありません。
近視の進行速度には個人差がありますが、一般的に年間−0.5D〜−1.0D程度進行するとも言われており、10年間で−5D〜−10Dに達する可能性もあります。
近視進行に影響する主な要因
近視の進行には、以下のような要因が関係していると考えられています。
- 遺伝的要因:両親が近視の場合、子どもも近視になりやすい傾向があります
- 近業作業の増加:スマートフォン・タブレット・読書など、近くを長時間見る作業
- 屋外活動の減少:太陽光(自然光)を浴びる時間が短いと近視が進みやすいとされています
- 室内環境:照明の質や作業距離も影響すると考えられています
特に「屋外活動の時間」については、日光を浴びることで眼軸の過剰な伸びを抑制する可能性が示されており、近年の研究で注目されています。
強度近視になると何が怖いのか〜将来の視力リスク

強度近視は、単なる「度が強い近視」ではありません。
眼軸が過剰に伸びることで、目の内側の組織が引き伸ばされ、さまざまな深刻な合併症を引き起こすリスクが高まります。これが、小児近視を早期に対策すべき最大の理由です。
強度近視が引き起こす主な合併症
- 網膜剥離:眼軸が伸びることで網膜が薄くなり、裂け目や剥がれが生じやすくなります。放置すると失明につながる危険な状態です
- 緑内障:強度近視は緑内障の発症リスクを高めることが知られています。視野が徐々に欠けていく病気で、進行すると回復が難しくなります
- 近視性黄斑症:網膜の中心部「黄斑」に変化が起き、中心視力が低下します。読書・顔の認識など、日常生活の質に直接影響します
- 白内障の早期発症:強度近視では、通常より若い年齢で白内障が進行するリスクも高まります
これらの合併症は、いずれも「視力を失う」可能性に直結しています。
近視は「見えにくい」だけの問題ではなく、将来の「見えなくなる」リスクと隣り合わせです。
眼科専門医として、この事実をもっと多くの保護者の方に知っていただきたいと感じています。
「眼鏡で矯正できているから大丈夫」という認識は、残念ながら正確ではありません。近視の度数が強くなるほど、これらの合併症リスクは確実に上昇します。だからこそ、近視の「進行を抑える」ことが重要なのです。
早期発見がカギ〜子どもの近視に気づくサイン
子どもは「見えにくい」ことを自覚しにくいものです。
「これが普通の見え方だ」と思っているため、自分から訴えないことも多くあります。保護者の方が日常の中でサインを見逃さないことが、早期発見につながります。
こんなサインに注意してください
- テレビや黒板に近づいて見ようとする
- 目を細めて見る癖がある
- 読書や勉強中に本を顔に近づけすぎる
- 学校の視力検査で「C」「D」判定が出た
- 頭痛や目の疲れを訴えることが増えた
- ボールが取れない、遠くのものを見間違えるなど
学校の視力検査は「スクリーニング」です。
「A判定だから大丈夫」とは言い切れません。学校検査では細かな度数まで測定できないため、気になる症状があれば眼科での精密検査を受けることをおすすめします。
「先日、小学2年生のお子さんを連れてこられたお母さんが、『学校でA判定だったのに、なんとなく見えにくそうで…』とおっしゃっていました。実際に検査すると、軽度の近視が始まっていました。」このような例は、日常診療の中でも珍しくありません。

小児近視の対策〜今できることを知っておこう
近視は「一度なったら元には戻らない」のが現実です。
しかし、「進行を遅らせる」ことは可能です。早期に対策を始めることで、将来の強度近視リスクを下げることができます。
生活習慣の見直し
まず、日常生活の中でできることから始めましょう。
- 屋外活動の確保:1日2時間以上の屋外活動が近視進行の抑制に効果的とされています。スポーツでなくても、外を散歩するだけでも意味があります
- 近業作業の制限:スマートフォンやタブレットの使用時間を管理し、30分ごとに遠くを見る休憩を取りましょう
- 適切な読書距離の確保:本やタブレットは30cm以上離して見る習慣をつけましょう
- 十分な睡眠:成長期の子どもに必要な睡眠時間を確保することも大切です
眼科での近視進行抑制治療
生活習慣の改善と並行して、眼科的な治療も選択肢になります。
- 低濃度アトロピン点眼:近視の進行を抑制する効果が報告されている点眼薬です。眼科医の処方のもとで使用します
- オルソケラトロジー:就寝中に特殊なコンタクトレンズを装用し、角膜の形状を一時的に矯正する方法です。近視の進行抑制効果も期待されています
どの治療が適切かは、お子さんの年齢・近視の程度・生活環境によって異なります。必ず眼科専門医に相談した上で、最適な方法を選んでください。
近視の進行を早めに確認したい方へ
小児近視の進行や将来的な視力リスクについて確認したい方は、千葉県船橋市の南船橋眼科へご相談ください。
生活習慣や目の使い方も含めながら、適切な検査やケア方法をご説明しています。
定期的な眼科検診の大切さ

近視の管理は「一度診てもらえば終わり」ではありません。
成長期の子どもの目は変化し続けます。定期的に眼科で検査を受け、近視の進行状況を把握することが大切です。
眼科検診の目安
- 近視が始まっていない子ども:年1回程度の検診
- 近視が始まった子ども:3〜6ヶ月ごとの定期検診
- 進行が速い場合:眼科医の指示に従い、より頻繁な検診
「うちの子はまだ小さいから大丈夫」と思わず、気になることがあれば早めに受診することをおすすめします。
眼科では視力検査だけでなく、眼軸長の測定や眼底検査など、より詳しい検査が可能です。近視の程度や進行速度を正確に把握することで、適切な対策を取ることができます。
「最近、近くのものは見えるけど遠くが見えにくくなってきた気がする」というお子さんを連れてこられる保護者の方が増えています。そのような場合でも、早めに受診いただくことで、進行の程度を確認し、必要な対策を一緒に考えることができます。
近視と白内障の関係〜将来の目の健康を守るために
強度近視は、将来的に白内障のリスクも高めます。
白内障は目の中の「水晶体」が濁る病気で、加齢とともに誰にでも起こりうる変化ですが、強度近視の方では比較的若い年齢で進行しやすい傾向があります。
「視界がかすむ」「まぶしい」「夜の運転が怖い」といった症状が出てきたら、白内障の可能性を考える必要があります。
南船橋眼科では、白内障の進行度を視力検査・細隙灯検査・散瞳検査で丁寧に確認し、「今の状態がどの程度か」「手術が必要なタイミングか」「今できることは何か」を、図や例えを使いながらわかりやすくご説明しています。
南船橋眼科の白内障治療の特徴
当院では、身体への負担が少ない日帰り白内障手術を提供しています。
- 切開はわずか2.4mmほど
- 超音波で水晶体を砕いて吸引し、人工レンズを挿入
- 手術時間は10分程度(症例により前後)
- Alcon社製の最新手術機器「CENTURION」を導入し、手術中の眼圧を細かく調整・眼への負担を軽減
眼内レンズは、患者さまの生活スタイルに合わせて選択できます。
- 単焦点レンズ:最もクリアに見える。ピントが合う距離は1つで、眼鏡の併用が前提
- 多焦点レンズ:複数の距離にピントが合い、眼鏡を使う頻度を減らせる
- 保険適応の乱視矯正レンズ(トーリック):乱視がある方にも対応。軽度の乱視でも適応があれば積極的に矯正
費用面では、白内障手術は保険診療で、1割負担で約13,000円、3割負担で約40,000円(片目)となります。生命保険の手術給付金や高額療養費制度も併用でき、経済的負担を抑えられる場合があります。
子どもの頃の近視が将来の目の健康に影響することを考えると、早期対策と定期的な眼科検診の重要性が改めてわかります。
まとめ〜子どもの目を守るために、今すぐできること
小児近視は、放置すれば強度近視へと進行し、網膜剥離・緑内障・黄斑症など深刻な合併症リスクを高めます。
早期発見・早期対策が、将来の視力を守る最善の方法です。
- 日常のサインを見逃さず、気になったら早めに眼科へ
- 屋外活動の確保と近業作業の制限など、生活習慣を見直す
- 眼科での定期検診を習慣化し、近視の進行を継続的に管理する
- 必要に応じて、近視進行抑制治療を眼科医と相談する
「うちの子はまだ大丈夫」と思わず、ぜひ一度眼科専門医に相談してみてください。
目は一生使う大切な器官です。子どもの頃の対策が、将来の豊かな視生活を支えます。
南船橋眼科へのご相談はお気軽に
「子どもの視力が心配…」「近視が始まったかもしれない」という方は、ぜひ南船橋眼科にご相談ください。
当院では、お子さまの近視の状態を丁寧に確認し、保護者の方にもわかりやすくご説明します。
また、成長に伴い将来的に白内障などの目の病気が気になる方にも、専門的な診断と安心できる治療をご提供しています。日帰り白内障手術から眼内レンズ選びまで、患者さまの生活に寄り添った対応を心がけています。
「最近見えにくい」「目のことで不安がある」と感じたら、どうぞお気軽にご連絡ください。
南船橋で、あなたと家族の”目のかかりつけ医”として、日々診療にあたっています。
お子さまの将来の視力を守りたい方へ
千葉県船橋市で小児近視や視力低下について相談したい方は、南船橋眼科へご相談ください。
成長期の視力変化を確認しながら、お子さまに合った近視対策をご提案しています。
著者情報
南船橋眼科 院長 佐倉達朗

経歴
- 筑波大学医学群医学類 卒業
- 東京都立多摩総合医療センター 臨床研修医
- 東京医科歯科大学医学部附属病院 眼科
- 東京都保健医療公社大久保病院 眼科
- 川口市立医療センター 眼科
- 川口工業総合病院 眼科
- 柏厚生総合病院 眼科
- 南船橋眼科 院長



