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「最近、なんだか目がかすむ…」「もしかして白内障?」そう感じているあなたへ。白内障には様々な種類があり、原因や症状、治療法も異なります。この記事では、白内障の種類を分かりやすく解説し、あなたの症状に合った情報を提供します。正しい知識を身につけ、明るい視界を取り戻しましょう!
白内障とは?

白内障とは、目の中でレンズの役割を果たしている「水晶体」が濁ってしまい、ものがかすんで見えたり、光がまぶしく感じたりするようになる病気です。水晶体は本来透明で、光を効率よく眼の奥の網膜へ届ける働きを持っています。
しかし、加齢や生活習慣、体質、病気、薬の影響などによってタンパク質が変性すると透明性が失われ、視界がぼやけてしまいます。白内障はゆっくり進行することが多いため、初期は「疲れ目」と勘違いされることもありますが、放置すると生活に支障が出ることもあるため、早期発見と適切なケアが大切です。
白内障の種類:原因別分類
白内障は、その発生原因によっていくつかのタイプに分類されます。ここでは、最も一般的な加齢性白内障をはじめ、生まれつき発症する先天性白内障、目への物理的な影響で生じる外傷性白内障、そして他の病気や薬剤が原因で起こる続発性白内障について、それぞれの原因、症状、特徴を詳しく解説します。
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加齢性白内障
加齢性白内障は、白内障の中で最も多く見られるタイプです。水晶体は通常、透明で光をよく通しますが、加齢とともにタンパク質が変性し、徐々に濁り始めます。この水晶体の濁りが視界をかすませたり、光をまぶしく感じさせたりする初期症状として現れます。
進行のスピードは個人差が大きく、ゆっくりと進行することが一般的ですが、日常生活に支障をきたすレベルに達することもあります。このタイプ特有の注意点として、初期には一時的に近視が進み、近くが見えやすくなる「老眼の改善」のような現象が起きることもありますが、これは病気の進行を示唆するサインでもあります。
先天性白内障
先天性白内障は、その名の通り、生まれつき水晶体が濁っている状態を指します。原因としては、遺伝的な要因、妊娠中の母体がかかった感染症(風疹など)、代謝異常などが考えられます。
乳幼児期に発見されることが多く、視力の発達に重要な時期に濁りがあるため、早期の発見と治療が極めて重要です。子供が物にピントを合わせられない、黒目に白いものが見えるなどの症状が見られた場合は、速やかに専門医の診察を受ける必要があります。若年性白内障とも関連が深く、早い段階での介入が将来の視力に大きく影響します。
外傷性白内障
外傷性白内障は、目に対する物理的な衝撃や外傷によって引き起こされる白内障です。例えば、ボールが目に当たった、転倒して顔を打ったといった打撲、あるいは鋭利なもので目を傷つけたり、化学物質が目に入ったりした場合に発症することがあります。外傷の程度や種類によって、白内障の発生時期や進行速度は異なります。
受傷直後から症状が現れることもあれば、数ヶ月から数年経ってから現れることもあります。外傷の経験がある場合は、たとえすぐに症状がなくても、定期的な眼科検診を受けることが推奨されます。早期の専門医受診は、視力回復の可能性を高めるために不可欠です。
続発性白内障
続発性白内障は、他の病気や薬剤の影響によって二次的に発症する白内障です。代表的な原因疾患としては、糖尿病による高血糖状態が水晶体に影響を与える場合や、ぶどう膜炎などの眼内炎症が挙げられます。
また、アレルギー疾患や自己免疫疾患の治療で長期にわたって使用されるステロイド剤(内服薬、点眼薬)も、白内障を誘発する副作用として知られています。これらの場合、白内障の症状だけでなく、原因となっている病気自体の治療や、薬剤の見直しも重要となります。症状の特徴は、原因となる疾患や薬剤によって異なる場合があります。
白内障の種類:混濁部位別分類

白内障は、目の中のレンズである水晶体が濁る病気ですが、その濁りが発生する場所によって、見え方や症状の現れ方が異なります。本セクションでは、水晶体の中心部が濁る「核白内障」、周辺部が濁る「皮質白内障」、そして水晶体の裏側が濁る「後嚢下白内障」という、混濁部位による3つの主要なタイプに焦点を当て、それぞれの特徴、初期症状、進行に伴う視力への影響について詳しく解説します。
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核白内障
核白内障は、水晶体の中心部、いわゆる「核」の部分が徐々に濁っていくタイプです。初期段階では、水晶体の屈折力が変化し、一時的に近視が進むことがあります。これにより、今まで遠くが見えにくかった方が、一時的に近くが見えやすくなる「老眼の進行が遅れる」といった変化を感じることもあります。
また、濁りの影響で、色の識別能力が低下し、特に青色が見えにくくなる、全体的に黄色っぽく見えるといった症状が現れることがあります。進行すると、中心部の濁りが強まり、視界の中心がぼやけたり、物が二重に見えたりするようになります。
光をまぶしく感じる(羞明)こともありますが、核白内障の場合は、夜間の運転などで対向車のヘッドライトが非常にまぶしく感じられることが特徴的です。
皮質白内障
皮質白内障は、水晶体の周辺部、すなわち「皮質」と呼ばれる部分に濁りが生じるタイプです。初期症状としては、視界のかすみに加えて、光がにじんで見える、特に夜間の街灯や車のヘッドライトがギザギザに見えたり、放射状に広がって見えたりする「ギラつき」や「ハレーション」が挙げられます。
このタイプの濁りは、水晶体の外側から中心部に向かって進行していくため、初期には視力低下を自覚しにくいこともありますが、濁りが進むにつれて、視界全体がかすみ、物がぼやけて見えるようになります。光のにじみも一層強くなり、日常生活、特に暗い場所での作業や運転に支障をきたすことがあります。
後嚢下白内障
後嚢下白内障は、水晶体の後嚢、つまり水晶体の裏側、眼球の奥に近い部分に濁りが生じるタイプです。このタイプの白内障は、他のタイプに比べて進行が速い傾向があることが特徴です。初期症状として、まぶしさを強く感じることが多く、特に明るい場所や太陽光の下で、視界が白くかすんで見えたり、物がぼやけたりします。
読書など、近くを見る作業の際に、文字のにじみやかすみを感じやすくなることもあります。濁りが進行すると、中心部の視力に影響が出やすく、視界の中心がぼやけて見えたり、遠近のピント合わせが困難になったりすることがあります。このタイプは、ステロイド薬の長期使用や、糖尿病などの全身疾患とも関連が指摘されることがあります。
白内障の検査方法
白内障の疑いがある場合、正確な診断と適切な治療方針の決定のために、眼科医はいくつかの専門的な検査を行います。これらの検査は、水晶体の混濁の程度や状態、そしてそれが視力に与える影響を詳細に評価するために不可欠です。ここでは、一般的に行われる主要な検査とその目的について解説します。
視力検査
視力検査は、白内障診断の第一歩として行われる基本的な検査です。遠方および近方の視力、コントラスト感度、色覚などを測定することで、水晶体の混濁がどの程度視機能に影響を与えているかを客観的に把握します。ランドルト環やETDRSチャートなどが用いられ、検査結果は白内障の進行度を判断する上での重要な指標となります。
細隙灯顕微鏡検査
細隙灯顕微鏡検査は、スリットランプという特殊な顕微鏡を用いて、眼の構造を拡大して詳細に観察する検査です。これにより、角膜、前房、虹彩、そして特に水晶体の混濁の有無、その位置、形状、密度などを詳細に確認することができます。
医師は、水晶体の混濁がどの部分(皮質、後嚢下、核白内障など)に発生しているかを特定し、白内障の種類や進行度を診断します。
眼底検査
眼底検査は、瞳孔を開く散瞳薬を使用した後に、眼の奥にある網膜、脈絡膜、視神経の状態を詳細に調べる検査です。白内障が進行して水晶体の濁りが強くなると、眼底の観察が困難になることがあります。そのため、白内障の診断と並行して、網膜剥離、緑内障、加齢黄斑変性など、他の重大な眼疾患の有無を確認するためにも重要な検査となります。
これらの検査を受けるにあたり、特に散瞳薬を使用する検査では、一時的に光が眩しく感じたり、ピントが合いにくくなったりすることがあります。検査当日は、安全のため車の運転を控えるなどの注意が必要です。ご自身の眼の健康状態を正確に把握するために、これらの検査について理解を深めておくことは、安心して受診するための助けとなるでしょう。
白内障の治療法

白内障の治療法は、病気の進行度や患者さんの生活の質(QOL)への影響を考慮して選択されます。主に、進行を遅らせることを目的とした薬物療法と、視力回復を目指す手術療法に大別されます。ここでは、それぞれの治療法の詳細について、効果や限界、適応時期、最新の技術動向などを網羅的に解説し、ご自身の状態に最適な治療法を見つけるための一助となる情報を提供します。
薬物療法
白内障の初期段階や、まだ視力低下が日常生活に大きな支障をきたしていない場合には、薬物療法が選択されることがあります。薬物療法は、白内障の根本的な治癒を目指すものではなく、あくまで水晶体の濁りの進行を遅らせることを目的としています。
現在、一般的に使用されているのは、水晶体の代謝を改善したり、酸化ストレスを軽減したりする作用を持つ点眼薬や内服薬です。これらの薬剤は、一部の患者さんにおいては白内障の進行を緩やかにする効果が期待できるとされています。しかし、その効果は限定的であり、すでに進行してしまった水晶体の濁りを透明に戻すことはできません。
薬物療法を続ける際には、医師の指示に従い、定期的な診察を受けることが重要です。また、薬剤の種類によっては、アレルギー反応などの副作用が生じる可能性もゼロではありません。
薬物療法だけで白内障が改善するわけではないため、視力低下が著しく、日常生活に不便を感じるようになった場合は、次の段階として手術療法を検討することになります。薬物療法は、あくまで白内障の進行を管理するための一つの手段であり、その限界を理解しておくことが大切です。
手術療法
白内障手術は、濁った水晶体を取り除き、眼内レンズを挿入することで視力回復を目指す根本的な治療法です。手術の適応時期は、視力低下によって日常生活(読書、運転、仕事など)に支障が出始めた時が一般的ですが、最終的な判断は医師との相談の上で行われます。 近年の白内障手術は非常に高度化しており、安全性も格段に向上しています。
主な手術方法としては、濁った水晶体を細かく砕いて吸引する「超音波乳化吸引術」が主流となっています。この手術では、同時に眼内レンズも挿入されます。 眼内レンズには様々な種類があり、患者さんのライフスタイルや希望に合わせて選択できます。
- 単焦点眼内レンズ
- 多焦点眼内レンズ
- 乱視矯正眼内レンズ(トーリックレンズ)
まとめ
この記事では、白内障の基本的な情報から、その種類、診断のための検査、様々な治療法、そして手術を受けた後の注意点までを網羅的に解説しました。正確な知識を得ることで、早期発見や適切な対処へとつながり、明るい視界を取り戻すための確かな一歩を踏み出せるはずです。もし気になる症状がある場合は、専門医への相談を検討してください。
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