

白内障手術を受けたあと、「なんとなく見え方がおかしい」「以前より視界がぼやける気がする」と感じ、もしかしてレンズがずれているのでは?と不安になる方は少なくありません。
結論からお伝えすると、眼内レンズのずれ(偏位・脱臼)は、白内障手術後に生じることがある合併症です。ずれの程度や症状によっては経過観察が可能な場合もありますが、再手術が必要になることもあります。ずれの程度・症状の種類・発症時期によって対応が異なるため、「見え方の変化に気づいたら早めに眼科を受診する」ことがとても大切です。
この記事では、眼内レンズがずれる仕組みから主な症状・対処法・受診のタイミングまで、順を追ってわかりやすくご説明します。
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- ✅ 白内障手術後に眼内レンズがずれる原因と仕組み
- ✅ ずれたときに現れやすい症状と見え方の変化
- ✅ 経過観察でよいケースと再手術が必要なケースの目安
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術後の見え方が変わった…それは本当にレンズのずれ?
「術後の見えにくさ」は複数の原因が考えられます
白内障手術を受けたあとに見え方の変化を感じたとき、その原因は眼内レンズのずれ(偏位・脱臼)だけではありません。後発白内障(後嚢混濁)・ドライアイ・屈折誤差(近視・遠視・乱視など)・黄斑疾患など、さまざまな要因が考えられます。
一方で、眼内レンズのずれは放置すると視力低下が進行するリスクがあるため、見え方の変化に気づいたら自己判断で様子を見続けるよりも、早めに眼科を受診して原因を確認することが重要です。
「ずれ」には大きく2種類あります
眼内レンズのずれには、大きく分けて偏位(へんい)と脱臼(だっきゅう)の2つがあります。偏位とは眼内レンズが本来の位置からずれた状態、脱臼とは眼内レンズが本来の支持構造から部分的または完全に外れた状態を指します。
偏位であっても症状が強い場合は再手術の対象となることがあります。どちらのタイプかは、眼科の検査ではじめて正確に判断できます。
よくある誤解:「手術直後の見えにくさ=ずれ」とは限りません
術後すぐは炎症・浮腫・点眼薬の影響などで一時的に見えにくいことがあります。術後の炎症や角膜浮腫などによる見えにくさは、経過とともに改善することがあります。ただし、症状が強い場合や悪化する場合は、予定された診察日を待たずに眼科へ相談してください。一方、いったん落ち着いた視力が再び低下した・ものが二重に見えるようになったなど、術後しばらくしてから変化が出た場合はずれの可能性も含めて確認が必要です。
眼内レンズがずれる原因と仕組み
なぜレンズはずれるのか?
眼内レンズは通常、白内障手術で水晶体を取り除いたあとに残る「水晶体嚢(すいしょうたいのう)」という薄い袋の中に収められ、レンズから伸びた「支持部(ハプティクス)」が袋を内側から押さえることで固定されています。
この固定構造が何らかの理由で弱まったり崩れたりすると、レンズが本来の位置からずれてしまいます。ずれが生じる主な背景は以下の3つに整理できます。
水晶体嚢を眼球内に固定しているのが「チン小帯(毛様小帯)」という細い繊維です。このチン小帯が加齢・眼の外傷・過去の眼科手術・ぶどう膜炎・落屑症候群(らくせつしょうこうぐん)などにより弱くなっていると、術後にレンズが徐々にずれやすくなります。特に高齢になるほどチン小帯は脆弱化しやすい傾向があります。
術後、水晶体嚢は時間とともに少しずつ収縮します(嚢収縮)。この収縮が均等でない場合や、嚢が薄く破れやすい状態だった場合にレンズが偏位することがあります。
眼球を強くこする・打撲を受けるなどの外的衝撃もレンズのずれを引き起こす要因となります。術後の目のこすりすぎや激しい運動は避けることが重要です。
ずれはいつ起こる?術後早期と晩期で異なります
術後数日〜数週間以内に生じる「早期ずれ」は、手術中の操作・嚢の破損・チン小帯の問題などが主な原因です。一方、術後数年〜十年以上経ってから起こる「晩期脱臼」は、加齢によるチン小帯の弛緩・嚢収縮が積み重なった結果として起こりやすく、近年は白内障手術の普及に伴いこのタイプの相談が増えています。

ずれたときに現れやすい症状
代表的な自覚症状
眼内レンズがずれると、以下のような症状が現れることがあります。症状の程度はずれの大きさによって異なり、軽微なずれでは自覚症状がほとんどない場合もあります。
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- 視力の低下:矯正してもかつてほど視力が出なくなった
- 複視(ものが二重に見える):レンズのエッジが視軸にかかることで生じやすい
- 光のまぶしさ・見え方の異常:光がにじむ、まぶしく感じる、光の周囲に輪が見えるなど(特に夜間)
- 視野の一部が欠けたように見える:大きくずれた場合に生じることがある
- 見え方が急に変わった:突然の視力変化は緊急性が高い場合もある
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こんな変化があったらすぐ受診を
突然の視力低下、急に生じた複視、光視症(光が走るように見える症状)、飛蚊症の急増などがある場合は、眼内レンズの脱臼や網膜剥離など、緊急の対応が必要な病気の可能性があります。症状が突然現れた場合は、当日中に眼科を受診してください。
「様子を見ようかな」と思いがちですが、こうした変化が出た場合はできるだけ早めに眼科を受診してください。
⚠️ こんな症状は早急に受診してください
- 術後に突然「見えなくなった」または著しく視力が下がった
- カーテンがかかったようにある方向から視野が欠けてきた
- 光が飛ぶ(光視症)・黒い点や線が急に増えた(飛蚊症の急増)
- 眼内レンズが目の中で動いているように感じる
経過観察でよいケースと再手術が必要なケースの目安
ずれの程度によって対応は変わります
眼内レンズのずれへの対応は、ずれの程度・症状の有無・視機能への影響を総合的に判断して決まります。自己判断では判別が難しいため、必ず眼科で細隙灯顕微鏡(さいげきとうけんびきょう)などを使った検査を受けることが重要です。
✅ 経過観察が選ばれやすいケース
- ずれが軽微で視力・見え方への影響が少ない
- 自覚症状がほとんどなく日常生活に支障がない
- 術後早期で炎症や腫れが落ち着く見込みがある
- 全身状態などを考慮して再手術リスクが高い場合
⚠️ 再手術が検討されやすいケース
- 視力が大きく低下し矯正でも改善しない
- 複視・グレアが強く日常生活への影響が大きい
- レンズが大きく傾いている・脱臼している
- 放置するとさらに進行するリスクが高い状態
再手術ではどのような処置が行われるか
再手術の方法は、ずれの程度・レンズの種類・残っている嚢の状態によって異なります。主な選択肢として「レンズ位置の修正・再固定」「縫着(ほうちゃく)術」「強膜内固定術」「レンズ交換」などが挙げられます。それぞれ適応や術式が異なるため、担当医と十分に相談した上で方針を決めることが大切です。
「もう少し様子を見て」はどこまで許容されるか
ずれが非常に軽微で症状もない場合、定期的な経過観察を行いながら急変がなければすぐに手術しないという選択もあります。ただし、ずれが進行性である場合や急激な変化があった場合は経過観察の判断を即座に見直す必要があります。「前回の検診では大丈夫だったから」と自己判断せず、変化を感じたらすぐに受診する習慣が重要です。
再手術の流れと術後の注意点
受診から手術までの一般的な流れ
眼内レンズのずれが確認された場合、まず詳細な検査で状態を評価し、手術が必要かどうかを判断します。手術が決まった場合は術前検査・リスクの説明・術式の選択を経て手術に進みます。眼内レンズの再固定や交換は、局所麻酔で行われることがありますが、手術方法や眼の状態によっては入院が必要となる場合もあります。手術を行う施設や術式によって対応が異なります。
細隙灯顕微鏡・眼底検査・眼軸長測定・OCTなどでレンズの位置・嚢の状態・網膜への影響を詳しく評価します。
ずれの状態・嚢の残存具合・患者さんの全身状態に応じて術式を選択します。医師から十分な説明を受け、不明点はすべて質問した上で同意書を取り交わします。
手術後は点眼・内服などで炎症管理を行いながら、定期的な術後検診で経過を確認します。視力が安定するまでの期間は個人差があります。担当医の指示を守ることが回復への近道です。
白内障術後の生活で気をつけたいこと
レンズのずれを予防・悪化させないために、術後の日常生活で特に意識していただきたいポイントがあります。
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- 目をこすらない:術後の眼は外力に弱く、強くこすると偏位のリスクが上がります
- 激しい運動・重い荷物の持ち上げは医師の指示に従う:術後の一定期間は眼圧が上がる動作に注意が必要です
- 定期検診を欠かさない:症状がなくても定期的に受診することでずれの早期発見につながります
- 転倒・打撲を防ぐ:高齢の方は特に眼への外傷リスクに注意が必要です
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ずれを「完全に防ぐ」ことはできるか
チン小帯の弱体化など加齢に伴う変化はある程度避けられません。手術時に嚢拡張リングなどの補助器具を使用することでリスクを低減できる場合がありますが、術後の定期検診と早期受診が最も重要なリスク管理と言えます。「手術して終わり」ではなく、術後も継続的に眼科で管理を受けることが大切です。
南船橋眼科の白内障・術後サポート体制
当院では、千葉県船橋市の南船橋駅直結ショッピングモール「ららテラスTOKYO-BAY」2階で、白内障手術後の定期管理から再手術相談まで幅広く対応しています。
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- ▶ 院内手術室完備・日帰り白内障手術に対応:多焦点眼内レンズや乱視矯正レンズ、水晶体嚢拡張リング(認定医資格あり)など多様な選択肢を提供し、患者さんの眼の状態に合わせた術式を提案しています。
- ▶ 複数の日本眼科学会専門医が在籍:白内障手術エキスパートの佐倉達朗医師をはじめ、各領域の専門医がチームで対応しています。難症例は専門病院への紹介連携体制も整えています。
- ▶ 土日祝日も診療・南船橋駅改札から徒歩1分:平日の受診が難しい方でも通院しやすい環境です。待ち時間はそのままショッピングも楽しめます。
- ▶ WEB予約・マイナンバーカード対応など利便性を重視:院外・院内モニターで待ち人数の確認も可能です。

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よくあるご質問
📋 この記事のまとめ
- ✅ 眼内レンズのずれ(偏位・脱臼)は術後早期から十数年後まで起こりうる合併症で、チン小帯の弱体化・嚢収縮・外力などが主な原因
- ✅ 視力低下・複視・光の乱反射などが主な症状で、突然の変化は緊急受診のサイン
- ✅ 軽微なずれは経過観察の場合もあるが、視機能への影響が大きい場合は再手術が検討される
- ✅ 目をこすらない・定期検診を続けることが術後ケアの基本。「手術して終わり」にしないことが大切
- ✅ 見え方に少しでも不安があれば、自己判断せず早めに眼科を受診することが最善策
術後の見え方が気になったら、お早めにご相談ください
南船橋眼科(千葉県船橋市)では、白内障術後の定期管理・気になる症状のご相談を幅広く承っています。南船橋駅直結で土日祝日も診療中。WEB予約で待ち時間の目安も確認できます。




👨⚕️ 院長・佐倉達朗(日本眼科学会専門医) からのコメント
白内障手術を受けた後も、眼内レンズが正しい位置に維持されているかを定期的に確認することはとても大切です。「手術後しばらく経ってから見え方が変わった」というご相談は珍しくありません。私自身が幼少期から強度近視に悩んだ経験があるからこそ、患者さんが感じる不安や見え方の変化に真剣に向き合いたいと思っています。術後のどんな些細な変化もお気軽にご相談ください。「目の健康をもっと身近に」という理念のもと、地域の皆さまの目をしっかりサポートしてまいります。