

「一度治ったはずなのに、また目がかすむ……」「網膜静脈閉塞症は再発するって聞いたけど、どうすれば防げるの?」そんな不安を抱えている方は少なくありません。
結論からお伝えすると、網膜静脈閉塞症の治療後は、黄斑浮腫が再び生じたり、悪化したりすることがあります 。また、高血圧や糖尿病、脂質異常症などのリスク因子がある方では、同じ眼の別の部位や反対側の眼に新たな網膜静脈閉塞症が生じる可能性もあります。
治療後も眼科で経過を確認するとともに、必要に応じて内科と連携し、血圧・血糖・脂質などを適切に管理することが大切です。
この記事では、再発・新たな発症の原因や ・リスク因子・再発再燃時のサイン・治療の選択肢・日常生活での管理ポイントまでわかりやすく解説します。
- ✅ 網膜静脈閉塞症が再発・新たに発症する理由とリスク因子
- ✅ 再燃・再発を示す症状のサインと受診のタイミング
- ✅ 再燃・再発予防のための治療・生活習慣の具体的なポイント
網膜静脈閉塞症とは?なぜ再発・再燃が起こるのか
網膜静脈閉塞症の基本的な仕組み
網膜静脈閉塞症とは、目の奥にある網膜の静脈が詰まることで血液の流れが滞り、眼底出血・網膜浮腫(むくみ)・視力低下などが生じる疾患です。詰まる部位によって「網膜中心静脈閉塞症」と「網膜静脈分枝閉塞症」の2種類に分けられます。
網膜中心静脈閉塞症は網膜から血液を集める中心静脈が閉塞するため、網膜の広い範囲に影響が及びやすく、視力低下が大きくなりやすい傾向があります。網膜静脈分枝閉塞症は網膜静脈の枝が閉塞するもので 、症状の程度は詰まった部位や範囲によって異なります。
なぜ「再発」が起こるのか
一度治療を受けて症状が落ち着いても、黄斑浮腫が再燃することがあります。また、網膜静脈閉塞症の発症に関係する全身的なリスク因子が残っている場合には、同じ眼や反対側の眼に新たな網膜静脈閉塞症が生じる可能性があります。静脈が詰まる背景には、高血圧や動脈硬化、糖尿病、脂質異常症などに伴う血管の変化や血流障害などが深く関わっています。特に網膜静脈分枝閉塞症では、動脈硬化を起こした網膜動脈と静脈の交差部で静脈が圧迫されることが、発症に関係すると考えられています。
こうした全身疾患が十分に管理されない状態が続くと、反対側の眼や別の静脈枝に新たな閉塞が起こる可能性があります 。眼科での経過観察と並行して、内科的な管理を継続することが非常に重要です。
「よくある誤解」:症状が消えたら完全に治ったとは限らない
治療後に視力が回復したり、かすみが軽くなったりすると「もう大丈夫」と感じて通院をやめてしまう方がいます。しかし症状の改善は黄斑浮腫などが一時的に落ち着いている状態である場合もあります 。網膜の血管や構造的なダメージが完全に元通りになるわけではなく、黄斑浮腫が再燃することもあります 。定期的な眼底検査を継続することが、早期発見・早期対処につながります。
再発しやすい人の特徴とリスク因子
網膜静脈閉塞症の発症・再発や黄斑浮腫の再燃 に関わるリスク因子は複数あります。自分に当てはまるものがないか、確認してみましょう。
高血圧は網膜静脈閉塞症の最も代表的なリスク因子のひとつです。血圧が高い状態が続くと動脈が硬化し、動脈と交差している静脈が圧迫されて血栓が形成されやすくなります。血圧をしっかりコントロールすることは再発予防の柱となります。血圧の管理目標は、年齢や合併症、治療状況によって異なります。自己判断で薬を変更せず、内科の主治医から示された目標値をもとに管理しましょう。
糖尿病は血液中の糖が増えることで血管壁がもろくなり、血流が悪化しやすくなります。高脂血症(脂質異常症)はコレステロールや中性脂肪が高い状態で、血管内壁にプラークが蓄積し動脈硬化を促進します。これらが重なると血栓形成リスクがさらに高まります。血糖値・コレステロール値の定期的なチェックと内科治療の継続が重要です。
血液凝固異常(血栓を作りやすい体質)、喫煙、肥満、運動不足なども再発に関与すると考えられています。特に喫煙は血管収縮や血液粘稠度を高めるため、禁煙が強く推奨されます。

再発時に現れる症状と受診すべきタイミング
再発のサインとなる主な症状
網膜静脈閉塞症が再発した際に現れやすい症状を知っておくことで、早期に受診することができます。以下のような変化を感じたときは、速やかに眼科を受診することをおすすめします。
- 視野の一部が急に欠けたり、霧がかかったようにかすむ
- 視力が急激に低下した(特に片眼)
- 物が歪んで見える(変視症)
- 黒い点やゴミのようなものが突然増えた(飛蚊症の急増)
- 中心部が暗く見えづらい(中心暗点)
これらの症状は数時間以内に出現・悪化することがあるため、「しばらく様子を見よう」と放置せず、できるだけ早い受診を心がけてください。
症状がなくても定期検査が不可欠な理由
網膜静脈閉塞症の再発初期は、自覚症状がほとんど出ないケースもあります。眼底出血や網膜浮腫が少量の場合、視力が落ちていなくても眼底写真や光干渉断層計(OCT)などの検査で異常が見つかることがあります。
「症状がない=再発していない」とは限りません。定期的な眼底検査・OCT検査を欠かさないことが、再発を早期に発見して視力を守ることにつながります。治療終了後も医師の指示に従って通院を続けることが大切です。
新生血管緑内障という深刻な合併症にも注意
特に網膜中心静脈閉塞症では、網膜の虚血(血流不足)が強い場合に 、網膜の虚血(血流不足)から異常な血管(新生血管)が生じ、新生血管緑内障という重篤な合併症に進展するリスクがあります。新生血管緑内障は眼圧が急激に上昇して強い痛みを伴うことがあり、視力の大幅な低下につながる可能性があります。放置は禁物であり、異変を感じたら迷わず受診することが重要です。
網膜静脈閉塞症の再発に対する治療の選択肢
抗VEGF療法(眼内注射)
現在、網膜静脈閉塞症による黄斑浮腫(黄斑のむくみ)の治療として広く行われているのが抗VEGF療法です。VEGFとは血管内皮増殖因子のことで、網膜の浮腫や新生血管の形成に関わる物質です。
抗VEGF薬を眼内に注射することで網膜浮腫の軽減・視力改善が期待できます。再発時にも同様の治療が選択されることがあります。治療の間隔や回数は病状・経過によって異なります。詳しくは担当医にご確認ください。
レーザー治療(網膜光凝固術)
網膜の虚血領域(血流が届かなくなった部分)に対してレーザーを照射し、新生血管の発生を抑制する治療法が網膜光凝固術です。新生血管やその予備軍となる虚血領域を焼くことで、将来的な合併症のリスクを抑えることが期待できます。
レーザー治療は視力を直接改善させる目的よりも、合併症の進行を抑える予防的な役割として行われることが多い治療です。抗VEGF療法と組み合わせて行われるケースもあります。
ステロイド治療・その他の選択肢
抗VEGF薬に加えて、眼内へのステロイド製剤(テノン嚢下注射や硝子体内注射)が選択されるケースもあります。浮腫の種類・程度・患者さんの全身状態などを踏まえて、担当医が最適な治療方針を提案します。
⚠ 注意:自己判断での治療中断はリスクがあります
抗VEGF療法などは複数回の投与が必要なケースがあります。「症状が楽になった」からといって途中で通院をやめてしまうと、再発や悪化のリスクが高まることがあります。必ず担当医の指示に従って治療を継続してください。
網膜静脈閉塞症の治療や再発についてご不安な方は、お気軽にご相談ください。
再発を防ぐために日常生活でできること
全身疾患のコントロールを最優先に
前述のとおり、高血圧・糖尿病・高脂血症は網膜静脈閉塞症の再発と強く関連しています。これらの疾患の治療を内科や循環器科と連携しながら継続することが、眼科的な再発予防においても非常に重要です。
「血圧の薬を飲んでいるから大丈夫」と安心するのではなく、実際の数値が管理目標内に収まっているかを定期的に確認することが大切です。血圧・血糖・コレステロール値の定期測定を生活習慣に取り入れましょう。
生活習慣の見直しポイント
- 禁煙:喫煙は血管収縮・血液粘稠度上昇を招き、再発リスクを高めます。禁煙は最も効果的な生活習慣改善のひとつです。
- 塩分・脂質の制限:高血圧・高脂血症の予防に食事管理は欠かせません。減塩(1日6g未満を目安)・飽和脂肪酸の摂取控えめが推奨されます。
- 適度な有酸素運動:ウォーキングなど負荷の少ない有酸素運動は血圧・血糖・コレステロールの改善に役立ちます。ただし急激な激しい運動は避け、主治医に相談の上で取り組みましょう。
- 十分な水分補給:脱水は血液の粘稠度を高め血栓ができやすくなる可能性があります。特に夏場や就寝前後の水分補給を意識しましょう。
- ストレス管理・十分な睡眠:慢性的なストレスや睡眠不足は血圧を上げる要因になります。規則正しい生活リズムを心がけることが大切です。
定期的な眼底検査の継続
再発予防において、定期的な眼底検査・OCT検査の継続は非常に重要です。症状がなくても3〜6か月に1回程度の定期検査を継続することで、再発の早期発見・早期治療が可能になります(検査頻度は病状によって異なります。個人差があります)。
「症状がないから受診しなくていいだろう」という判断が、気づかないうちに病状を進行させてしまうケースがあります。医師と相談しながら、無理なく継続できる受診スケジュールを組みましょう。
南船橋眼科での診療体制
- 🏥 眼底疾患に対応した専門体制:糖尿病網膜症・緑内障・加齢黄斑変性・網膜硝子体疾患など、網膜静脈閉塞症に関連する眼底疾患を幅広く診療しています。院内にはレーザー治療機器も完備しており、必要な治療をスムーズに提供できる体制を整えています。
- 📅 土日祝日も診療・WEB予約対応:平日の受診が難しい方でも、土曜・日曜・祝日に受診いただけます。WEB予約は24時間受付で、待ち時間の短縮にもつながります。
- 🔬 先進機器による精密検査:眼底の状態を詳しく確認するための先進機器を導入しており、網膜静脈閉塞症の再発早期発見に役立てています。
- 🏪 南船橋駅直結・アクセス良好:千葉県船橋市のららテラスTOKYO-BAY 2階に位置し、南船橋駅改札を出て徒歩1分。定期的な通院も負担なく続けていただけます。

よくあるご質問(FAQ)
まとめ
この記事のまとめ
- ✅ 網膜静脈閉塞症は治療後も再発しやすい疾患であり、高血圧・糖尿病・高脂血症などの全身疾患が主なリスク因子となる
- ✅ 再発時の症状(急な視力低下・視野欠損・歪み・飛蚊症の急増)を知っておき、異変を感じたら速やかに受診することが重要
- ✅ 「症状が消えた=治った」は誤解。定期的な眼底検査・OCT検査で無症状の再発も早期発見できる
- ✅ 治療(抗VEGF療法・レーザー治療など)と並行して、禁煙・減塩・適度な運動・水分補給などの生活習慣改善も再発予防に役立つ
- ✅ 眼科と内科の両方に定期通院し、全身疾患のコントロールを継続することが視力を守る最大の対策となる
網膜静脈閉塞症の再発が心配な方へ
船橋市・南船橋駅直結のらテラスTOKYO-BAY 2階。土日祝日も診療しており、平日に通院が難しい方も安心して受診いただけます。気になる症状がある方も、定期検査として通院されている方も、まずはお気軽にご相談ください。




👨⚕️ 院長 佐倉達朗 先生からのコメント
「網膜静脈閉塞症は、適切な治療と定期検査を継続することで視力を守ることが期待できる疾患です。一方で、全身疾患のコントロールが不十分だと再発するリスクが残ります。私自身、患者さんひとりひとりの生活背景や体の状態をしっかり把握した上で、長く通い続けていただける診療をご提供したいと考えています。『目の健康をもっと身近に』という理念のもと、些細なご不安もお気軽にご相談ください。」