白内障手術は片目だけで大丈夫?医師が教える両眼の見え方の違い|南船橋眼科|千葉県船橋市の眼科|白内障、緑内障、糖尿病網膜症

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眼科コラム

白内障手術は片目だけで大丈夫?医師が教える両眼の見え方の違い|南船橋眼科|千葉県船橋市の眼科|白内障、緑内障、糖尿病網膜症

白内障手術は片目だけでも受けられるの?両眼の見え方の違いとは

白内障は年齢を重ねるとほとんどの方に現れる目の病気です。水晶体が濁ることで視界がかすんだり、まぶしさを感じたりと、日常生活に様々な支障をきたします。

白内障の治療法として最も効果的なのは手術ですが、「片目だけ手術して大丈夫なの?」「両目同時に手術した方がいいの?」といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。

実は、白内障は必ずしも左右同時に同じペースで進行するわけではありません。片方の目だけが進行するケースも少なくないのです。そのため、片目だけの手術を検討されている方も多いかもしれません。

この記事では、白内障手術を片目だけ受ける場合のメリット・デメリットや、両眼の見え方の違いについて詳しく解説します。手術を検討されている方の不安を少しでも解消できれば幸いです。

白内障手術の7つのメリットと知っておくべきリスク

白内障手術によって得られる7つのメリットと、事前に理解しておきたいリスクについて、眼科医の視点でわかりやすく解説します。

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片目だけ白内障が進行する理由とメカニズム

白内障は多くの場合、加齢に伴って両目にゆっくりと進行する疾患ですが、片目だけに症状が現れるケースも少なくありません。なぜ片目だけ進行することがあるのでしょうか?

片目だけ白内障が進行する主な理由には、以下のようなものがあります。

  • 外傷性白内障:ボールが当たったり転倒したりした衝撃で、片方の水晶体だけが白濁することがあります。
  • 先天的な水晶体の弱さ:生まれつき片方の水晶体が弱いケースがあります。
  • 過去の眼内手術の影響:過去に片目だけ手術を受けた方は、その目だけ白内障が進行することがあります。
  • ステロイド薬の使用:片方の目だけに点眼していた場合、その目だけ白内障が進むことがあります。
  • 糖尿病などの全身疾患:全身疾患が原因でも、片目に強く影響が出ることがあります。

加齢による白内障の場合は左右差が小さいのに対し、こうした特殊な原因では片目だけ急速に濁るケースが目立ちます。

片目だけ白内障が進行すると、左右の目で見え方に差が生じます。この状態が続くと、脳が混乱して頭痛や目の疲れ、立体視機能の低下などを引き起こすことがあるのです。

片目だけの白内障手術のメリットとデメリット

白内障が片目だけ進行している場合、その目だけを手術することも可能です。片目手術には、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

片目だけの白内障手術のメリット

まず、片目だけの手術には以下のようなメリットがあります。

  • 左右の視力差を減らせる:片目だけ視力が低下している場合、その目を手術することで左右のバランスを改善できます。
  • 両眼視機能の回復:左右の見え方の差が大きいと立体視が難しくなりますが、手術で改善できます。
  • 日常生活の質の向上:片目でも視力が回復すれば、読書や運転などの日常活動が楽になります。
  • もう片方の目の状態観察が可能:片目ずつ手術することで、1回目の結果を見てから2回目の手術内容を調整できます。

特に視力の左右差が大きい場合は、片目の手術だけでも生活の質が大きく向上することがあります。

片目だけの白内障手術のデメリット

一方で、片目だけの手術には以下のようなデメリットも存在します。

  • 一時的な見え方の不均衡:手術した目と未手術の目で見え方が異なり、違和感を感じることがあります。
  • 通院の手間が増える:将来的にもう片方の目も手術する場合、通院回数が増えます。
  • 回復期間が2回必要:両目を別々に手術する場合、回復期間も2回必要になります。
  • 費用面での負担:2回に分けて手術すると、トータルの費用負担が増える可能性があります。

片目だけ手術した後は、左右の目で色の見え方や明るさの感じ方が異なることがあります。この違和感は、脳が新しい見え方に適応するまでの一時的なものですが、人によっては不快に感じることもあるでしょう。

どうですか?片目だけの手術にもメリットとデメリットがあることがおわかりいただけたでしょうか。

では次に、両眼同時手術と片目ずつの手術の違いについて見ていきましょう。

両眼同時手術と片目ずつの手術の違い

白内障手術は片目ずつ行うのが一般的でしたが、最近では両眼同時手術も選択肢として増えています。それぞれにどのような特徴があるのでしょうか。

両眼同時手術のメリット

両眼を同時に手術することには、以下のようなメリットがあります。

  • 早期の日常生活への復帰:一度の手術で両眼の視力が回復するため、通常の生活に早く戻れます。
  • 左右の見え方のバランスが取りやすい:手術直後から左右の見え方に差がなく、生活に適応しやすいです。
  • 通院頻度や費用負担の軽減:通院回数が少なく済み、交通費や時間の節約になります。
  • 手続きの簡略化:麻酔や入院手続きが一度で済むため、患者さんの負担が軽減されます。

特に遠方から通院される方や、お仕事が忙しい方にとっては、通院回数を減らせる両眼同時手術のメリットは大きいでしょう。

両眼同時手術のデメリット

一方で、両眼同時手術には以下のようなデメリットもあります。

  • リスクの集中:万が一感染症などの合併症が発生した場合、両眼に影響する可能性があります。
  • レンズ調整の機会がない:片眼ずつだと1回目の結果を見て2回目を調整できますが、同時手術ではその機会がありません。
  • 手術当日の視界制限:両眼とも手術直後は視界がぼやけるため、付き添いが必要です。

現在の白内障手術は安全性が高く、合併症のリスクは非常に低いですが、両眼同時手術を選択する際には、これらのデメリットも考慮する必要があります。

どちらの手術方法が自分に合っているか

片目ずつの手術と両眼同時手術、どちらが良いかは患者さんの状態や生活環境によって異なります。以下のような方は、それぞれの手術方法が向いているかもしれません。

  • 片目ずつの手術が向いている方
  • 左右の白内障の進行度に大きな差がある方
  • 他の眼疾患を合併している方
  • 慎重にレンズ選択をしたい方
  • 両眼同時手術が向いている方
  • 左右の白内障の進行度がほぼ同じ方
  • 通院が困難な方(遠方にお住まいの方など)
  • 早期に日常生活に復帰したい方

どちらの方法を選ぶにせよ、担当医とよく相談し、自分の状態や生活スタイルに合った方法を選ぶことが大切です。

片目手術後の見え方の違いと適応期間

片目だけ白内障手術を受けた場合、手術した目と手術していない目で見え方に違いが生じます。この違いにどのように適応していくのでしょうか。

手術直後の見え方の違い

片目手術後に感じる主な見え方の違いには、以下のようなものがあります。

  • 色の見え方の違い:手術した目では色がより鮮やかに見え、未手術の目では黄色っぽく見えることがあります。
  • 明るさの感じ方の違い:手術した目の方が明るく感じることが多いです。
  • ピントの合い方の違い:手術で入れた眼内レンズと元の水晶体ではピントの合う距離が異なることがあります。
  • コントラスト感度の違い:手術した目の方がコントラストがはっきり見えることが多いです。

これらの違いは個人差がありますが、ほとんどの方が何らかの違和感を感じるものです。

脳の適応過程と期間

幸いなことに、人間の脳は非常に適応力が高く、時間の経過とともに左右の見え方の違いに順応していきます。

  • 短期的な適応(1〜2週間):多くの方は1〜2週間で基本的な違和感が軽減します。
  • 中期的な適応(1〜3ヶ月):色の見え方の違いなどに脳が慣れてきます。
  • 長期的な適応(3〜6ヶ月):ほとんどの方は半年以内に違和感をほとんど感じなくなります。

適応の速さには個人差があり、若い方ほど適応が早い傾向があります。また、白内障の進行度や他の眼疾患の有無によっても適応期間は異なります。

適応を助けるための工夫

左右の見え方の違いに早く適応するためには、以下のような工夫が役立ちます。

  • 両眼でバランスよく物を見る習慣をつける:意識的に両目を使って物を見るようにしましょう。
  • 必要に応じて一時的な眼鏡を使用する:左右の視力差が大きい場合は、一時的な眼鏡で調整すると快適に過ごせることがあります。
  • 十分な休息をとる:適応期間中は目が疲れやすいので、こまめに休息をとりましょう。
  • 定期的な診察を受ける:違和感が長引く場合は、医師に相談しましょう。

多くの患者さんは時間の経過とともに適応していきますが、強い違和感が長く続く場合は、早めに眼科医に相談することをおすすめします。

もう片方の目の手術時期をどう決めるか

片目の白内障手術が終わった後、もう片方の目はいつ手術すべきでしょうか。その判断基準について解説します。

もう片方の目の手術時期の判断基準

もう片方の目の手術時期を決める際の主な判断基準には、以下のようなものがあります。

  • 白内障の進行度:もう片方の目の白内障がどの程度進行しているかが最も重要な基準です。
  • 日常生活への支障:読書や運転など、日常生活に支障が出ているかどうかを考慮します。
  • 左右の見え方の違いによる不快感:左右の見え方の違いが強く、不快に感じる場合は早めの手術を検討します。
  • 全身状態:全身の健康状態や年齢も考慮します。

これらの要素を総合的に判断して、もう片方の目の手術時期を決めていきます。

一般的な手術間隔の目安

片目の手術から次の目の手術までの間隔は、患者さんの状態によって異なりますが、一般的には以下のような目安があります。

  • 最短間隔:1週間〜2週間(両目とも白内障が進行している場合)
  • 一般的な間隔:1ヶ月〜3ヶ月(片目の手術結果を確認してから次の手術を決める場合)
  • 長い間隔:半年〜数年(もう片方の白内障の進行が遅い場合)

最近では、1回目の手術から1〜2週間後に2回目の手術を行うケースも増えています。これは、1回目の手術で得られた情報(レンズの度数調整など)を2回目に活かせるというメリットがあります。

医師と相談して決めるべきポイント

もう片方の目の手術時期を決める際に、医師と相談すべき主なポイントには以下のようなものがあります。

  • 現在の視力と生活の質:現在の視力で日常生活に支障がないかどうか。
  • 白内障の進行スピード:今後どのくらいのペースで進行すると予測されるか。
  • 眼内レンズの選択:1回目と同じレンズを使うか、異なるレンズを検討するか。
  • 仕事や予定との調整:手術と回復期間を考慮した生活スケジュールの調整。

これらのポイントについて医師とよく相談し、自分のライフスタイルに合った手術計画を立てることが大切です。

まとめ:白内障手術を成功させるために

白内障手術は片目だけでも受けることができますが、左右の見え方のバランスや生活の質を考慮して判断する必要があります。この記事のポイントをまとめます。

  • 片目だけ白内障が進行する理由:外傷、先天的な要因、薬の影響など様々な原因があります。
  • 片目手術のメリット:左右の視力差を減らせる、両眼視機能を回復できるなどがあります。
  • 片目手術のデメリット:一時的な見え方の不均衡、通院の手間増加などがあります。
  • 両眼同時手術との違い:同時手術は回復が早い反面、リスクが集中するデメリットもあります。
  • 手術後の見え方の違い:色覚や明るさの感じ方に違いが生じますが、多くの方は時間とともに適応します。
  • もう片方の目の手術時期:白内障の進行度や生活への支障を考慮して決めます。

白内障手術を検討される際は、ご自身の生活スタイルや目の状態に合わせて、片目ずつか両眼同時かを選択することが大切です。また、手術前には十分な検査と説明を受け、疑問点は医師に相談しましょう。

南船橋眼科では、患者さま一人ひとりの目の状態や生活環境に合わせた最適な治療プランをご提案しています。白内障でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

適切な時期に適切な治療を受けることで、白内障による見えづらさから解放され、より明るく快適な毎日を取り戻すことができます。

著者情報

南船橋眼科 院長 佐倉達朗

院長 佐倉達朗

経歴

  • 筑波大学医学群医学類 卒業
  • 東京都立多摩総合医療センター 臨床研修医
  • 東京医科歯科大学医学部附属病院 眼科
  • 東京都保健医療公社大久保病院 眼科
  • 川口市立医療センター 眼科
  • 川口工業総合病院 眼科
  • 柏厚生総合病院 眼科
  • 南船橋眼科 院長

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