知らないと損する白内障手術の保険適用と費用|南船橋眼科|千葉県船橋市の眼科|白内障、緑内障、糖尿病網膜症

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眼科コラム

知らないと損する白内障手術の保険適用と費用|南船橋眼科|千葉県船橋市の眼科|白内障、緑内障、糖尿病網膜症

白内障手術の保険適用と費用の基本

白内障は加齢とともに発症率が高まる目の病気です。水晶体が白く濁ることで視力が低下し、日常生活に支障をきたすようになります。70歳以上では8割以上の方が何らかの白内障症状を抱えているとされ、80歳以上になるとほぼ100%の方が白内障の所見があるとされています。

白内障の治療法として最も効果的なのが手術です。濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズを挿入する治療法が一般的です。

白内障手術の費用は、使用する眼内レンズの種類や保険適用の有無によって大きく変わります。知識がないまま手術を受けると、必要以上の費用負担が生じる可能性があるのです。

保険適用される白内障手術の費用

白内障手術で最も一般的なのは、単焦点眼内レンズを使用した手術です。この手術は健康保険が適用されるため、比較的低コストで受けることができます。

保険適用の手術費用は、患者さんの年齢や所得によって自己負担割合が異なります。一般的な費用の目安は以下の通りです。

  • 3割負担の方:片目約45,000円
  • 2割負担の方:片目約30,000円
  • 1割負担の方:片目約15,000円

これらの費用には、手術費用だけでなく、眼内レンズ代や術前検査、術後の薬剤費なども含まれています。ただし、医療機関によって設備や診療体制が異なるため、若干の費用差が生じることがあります。

単焦点眼内レンズは、遠方または近方のどちらか一点にピントを合わせることができます。一般的には遠方に焦点を合わせるため、近くを見る際には老眼鏡が必要になることが多いです。

保険適用の条件

白内障手術が保険適用となるのは、視力低下が日常生活に支障をきたしている場合です。単に老眼を治したいという理由だけでは、保険適用にはなりません。医師の診断によって白内障と認められ、手術が必要と判断された場合に保険が適用されます。

また、保険適用となるのは基本的に単焦点眼内レンズを使用した場合のみです。多焦点眼内レンズなどの特殊なレンズを希望する場合は、追加費用が発生します。

高額療養費制度の活用

白内障手術を受ける際に知っておきたいのが「高額療養費制度」です。この制度は、医療費の自己負担額が一定の限度を超えた場合に、超過分が払い戻される仕組みです。

70歳以上の方の場合、所得に応じて自己負担限度額が設定されています。一般的な所得の方であれば、1割負担の方は月額8,000円、2割負担の方は月額18,000円が上限となります。

両目の手術を同じ月に受けると、この限度額を超える部分が還付されるため、実質的な負担を抑えることができます。

受付

多焦点眼内レンズを使用した手術の費用

近年、白内障手術では単焦点眼内レンズだけでなく、遠近両方が見える多焦点眼内レンズも選択できるようになりました。多焦点眼内レンズを使用すると、術後の眼鏡依存度を大幅に減らすことができます。

多焦点眼内レンズには大きく分けて「国内承認レンズ」と「国内未承認レンズ」の2種類があります。2020年4月からは、国内承認の多焦点眼内レンズに対して「選定療養」という制度が適用されるようになりました。

選定療養制度を利用した多焦点レンズ手術

選定療養とは、保険診療と保険外診療を併用できる制度です。多焦点眼内レンズの場合、手術自体は保険適用となりますが、レンズ代は全額自己負担となります。

選定療養を利用した多焦点眼内レンズ手術の費用は、一般的に以下のようになります。

  • 手術代:保険適用(3割負担で約45,000円)
  • レンズ代:全額自己負担(約30万円〜35万円)
  • 合計:約35万円〜40万円(片目)

多焦点眼内レンズには様々な種類があり、2025年現在、テクニスオデッセイ、テクニスシナジー、クラレオンパンオプティクスなどが選定療養の対象となっています。

完全自費診療の多焦点レンズ手術

国内未承認の多焦点眼内レンズを選択する場合は、手術費用も含めて全額自己負担となります。この場合の費用は一般的に片目50万円〜100万円程度です。

完全自費診療の場合、高額療養費制度は適用されませんが、医療費控除の対象にはなります。

白内障手術の費用負担を軽減する方法

白内障手術の費用負担を軽減するには、いくつかの方法があります。ここでは主な3つの方法をご紹介します。

高額療養費制度を最大限活用する

高額療養費制度を利用すれば、医療費の自己負担額を大幅に抑えることができます。特に両目の手術を受ける場合は、同じ月内に手術を行うことで、高額療養費制度の恩恵を最大限に受けられます。

70歳未満の方の場合、所得に応じて自己負担限度額が設定されています。例えば、年収370万円〜770万円の方であれば、月額80,100円+(医療費−267,000円)×1%が上限となります。

事前に「限度額適用認定証」を取得しておけば、窓口での支払いが限度額までで済みます。取得していない場合でも、後から申請することで超過分が還付されます。

医療費控除を活用する

白内障手術の費用は医療費控除の対象となります。1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費が10万円を超える場合、確定申告をすることで所得税の一部が還付されます。

医療費控除を受けるためには、手術費用の領収書を保管しておくことが重要です。また、通院のための交通費も医療費控除の対象となりますので、記録しておくとよいでしょう。

民間保険を利用する

医療保険や生命保険に加入している場合、白内障手術に対して給付金が支給されることがあります。保険の種類や契約内容によって給付条件は異なりますので、事前に確認しておくことをおすすめします。

ただし、両目を同日に手術すると1回の手術とみなされ、給付金が減る可能性があります。保険を最大限に活用するためには、契約内容をよく確認し、必要に応じて手術のスケジュールを調整するとよいでしょう。

診療室

白内障手術のタイミングと費用対効果

白内障手術を受けるタイミングは、視力低下の程度や日常生活への影響によって異なります。しかし、費用面を考慮すると、年齢によって自己負担割合が変わることも考慮すべきポイントです。

70歳を境に自己負担割合が3割から2割に、75歳を境に2割から1割に減少します。そのため、白内障の症状が軽度で日常生活にあまり支障がない場合は、自己負担割合が下がるタイミングまで手術を待つという選択肢もあります。

しかし、視力低下が著しく日常生活に支障をきたしている場合は、早めに手術を受けることをおすすめします。視力回復による生活の質の向上は、費用以上の価値があるからです。

白内障手術の効果と価値

白内障手術を受けることで、視力が回復するだけでなく、様々な面でQOL(生活の質)が向上します。2021年の米国ワシントン大学の研究によると、白内障手術を受けた高齢者は、受けなかった高齢者と比較して認知症の発症リスクが約3割低かったという結果も報告されています。

視力の回復により、読書や趣味活動が再開できるようになったり、転倒リスクが減少したりするなど、日常生活の様々な面で改善が期待できます。そのため、費用対効果の面からも、適切なタイミングでの手術が重要です。

眼内レンズの種類と選び方

白内障手術で挿入する眼内レンズには様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。自分のライフスタイルや希望する見え方に合わせて、適切なレンズを選ぶことが重要です。

単焦点眼内レンズ

単焦点眼内レンズは、一点にのみピントを合わせることができるレンズです。遠方か近方のどちらかに焦点を合わせるため、もう一方の距離を見る際には眼鏡が必要になります。

保険適用となるため費用負担が少なく、光のロス(損失)も少ないため、コントラスト感度が高く、鮮明な視界が得られるという特徴があります。

多焦点眼内レンズ

多焦点眼内レンズは、遠方と近方の両方にピントを合わせることができるレンズです。眼鏡依存度を大幅に減らすことができますが、構造上、光のロスが生じるため、コントラスト感度の低下やハロー・グレア(光がギラギラと見える現象)が起こる可能性があります。

多焦点眼内レンズには、「回折型」と「焦点深度拡張型(EDOF)」の2種類があります。回折型は遠くから近くまでピントが合いやすいですが、ハロー・グレアやコントラスト感度低下が起こりやすいという特徴があります。

一方、焦点深度拡張型はハロー・グレアやコントラスト感度低下がほとんどないものの、近方の見え方がやや弱く、細かい字を読むときには老眼鏡が必要になることがあります。

乱視矯正レンズ

乱視がある方には、乱視を矯正できる「トーリックレンズ」も選択肢となります。単焦点でも多焦点でも乱視矯正機能を持つレンズが存在します。

乱視矯正機能付きの多焦点レンズは、選定療養の対象となっており、レンズ代は全額自己負担となりますが、より快適な視界を得ることができます。

白内障手術を受ける際の注意点

白内障手術を受ける際には、いくつかの注意点があります。費用面だけでなく、手術の流れや術後のケアについても理解しておくことが大切です。

術前検査の重要性

白内障手術の前には、様々な検査が行われます。眼の状態を詳しく調べることで、最適な眼内レンズの種類や度数を決定します。

特に多焦点眼内レンズを選択する場合は、角膜や網膜の状態、眼圧などを詳細に検査し、多焦点レンズが適しているかどうかを判断します。視神経や網膜に病気がある場合や、角膜の形態が不整である場合は、多焦点レンズの使用が制限されることがあります。

手術当日の流れ

白内障手術は、ほとんどの場合日帰りで行われます。手術時間は10〜20分程度と短く、目薬による局所麻酔で行われるため、痛みはほとんどありません。

手術では、超音波で濁った水晶体を砕いて吸引し、代わりに眼内レンズを挿入します。最近では、より精密なレーザーを使用した手術も行われていますが、レーザー手術は保険適用外となることが多いです。

術後のケアと注意点

手術後は、感染予防のための点眼薬を使用します。また、目をこすったり、強く押したりすることは避け、清潔に保つことが大切です。

視力の回復は個人差がありますが、多くの場合、手術直後から視力の改善を実感できます。ただし、眼内レンズに慣れるまでには時間がかかることもあります。特に多焦点眼内レンズの場合は、脳が新しい見え方に適応するまで、1〜3ヶ月程度かかることがあります。

まとめ:白内障手術で損をしないために

白内障手術は、視力回復によって生活の質を大きく向上させる重要な治療法です。費用面でも、保険適用や各種制度を活用することで、負担を軽減することができます。

白内障手術で損をしないためのポイントをまとめると、以下の3点が重要です。

  • 自分のライフスタイルや希望する見え方に合わせて、適切な眼内レンズを選ぶ
  • 高額療養費制度や医療費控除などの制度を活用して、費用負担を軽減する
  • 信頼できる眼科医と十分に相談し、納得した上で手術を受ける

白内障は加齢とともに誰にでも起こりうる病気です。適切な知識を持ち、自分に合った治療法を選ぶことで、明るく快適な視界を取り戻しましょう。

白内障手術に関するご相談や詳しい情報は、当院でも承っております。お気軽に 南船橋眼科 までお問い合わせください。専門医が丁寧にご説明いたします。

院長 佐倉達朗

経歴

  • 筑波大学医学群医学類 卒業
  • 東京都立多摩総合医療センター 臨床研修医
  • 東京医科歯科大学医学部附属病院 眼科
  • 東京都保健医療公社大久保病院 眼科
  • 川口市立医療センター 眼科
  • 川口工業総合病院 眼科
  • 柏厚生総合病院 眼科
  • 南船橋眼科 院長

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